狐日和

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｢術式の名前とかって何ですか？…天狐家って歴史長いのに謎に包まれている事ばかりですよね？｣


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かなりの質問攻めだが、もう知ってしまったら次から次へと知りたい事が増えていく


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今まで真面目ちゃんだった俺だから貪欲になるのは仕方ねぇ事だ…許してください



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雪さんの事なら尚更そう



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｢力は見せびらかす物ではない…術式の事は本人から直接聞け｣


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｢話は終わりだ｣と温くなった緑茶を一気に飲み干し、部屋を後にした日縁さんに思わず心の中でケチだと悪態をつく



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｢本人って…雪さんとは高校入るまで会えないっつーの｣



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あー、知りたい事が増えてあと二ヶ月が長い…いや八年よりかはマシか…


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足を崩して背もたれに寄りかかり、仰け反る様にして伸びをする



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八年の積み重ねが、今ここで爆発寸前にまできている



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｢もういっその事、雪さん探すか｣



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そんな事を呟いていれば、襖が開き入れ替わりの様にして月栄さんがお菓子を盆に載せて入ってきた



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｢悟くんお疲れ様！お菓子食べましょ｣



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斜め横に腰を下ろす月栄さんから、和菓子を受け取り口に入れる


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｢せっちゃんの事、少しは分かった？｣


｢まぁ、なんと言うか…苦労してるんだなって｣


｢そうね、小さい頃は苦労したわ…ずっと手を繋いで歩いていたし…｣



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｢でも、悟くんに知ってもらって良かった！｣と胸の前で手を叩き、童顔も相まってか子供の様に喜ぶ月栄さん

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