狐日和

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｢うん…強くなったら会う…涙流れない様に、怪我もしない様に…｣








ギュッと抱きしめられ、それにより暖かい体温が伝わり、雪さんの手が俺の背中を撫でる






安心させる為のそれなのに、俺は情けなくも次々と涙が溢れて雪さんの肩を濡らしていた







あの時の俺馬鹿だったなと思ったが、そこまで考えている余裕なんてなかった






その後は日縁さんが“二人が高校生になるまで”を条件に会える事を了承してくれた






そして今回の件は、日縁さんが隠蔽する事で公になる事はないらしい







恐らく、五条家の息子が襲われた事で騒ぎを起こさない為なんだろう…確かに親がうるさい







勿論五条家の人間も俺以外知らないし、その後も話した事はない







だが、家の人間は俺が天狐家へ遊びに行く事がなくなった事に、明らか不審がっていたが誰一人として言及する事はなかった






きっと日縁さんが何かしたんだろう…天狐家の当主だし…何したんだ







そしてもう一つ、今まで稽古を嫌々やらされてはその度に家から飛び出したりの繰り返しだった







そんな奴が真剣に取り組んでいる姿に、親でさえ目を飛び出す勢いで驚いていた








｢どういう風の吹き回しだ！｣と肩に手を置いて逆に稽古して欲しいのかして欲しくないのか…そんな親のポンコツ発言には心の中で嗤っていた







雪さんを守れるくらい強くなる






それを目標に、日に日に強くなる目“六眼”や五条家相伝である無下限呪術の仕組み






あの日の悲劇を繰り返さない為に、強くなるなら全て利用しようと努力した






元々目のせいで眠りは浅かったが、それ以前に寝てる時間さえ惜しかった







頭を使いすぎて糖分ばかり摂取していたら甘党にもなった







…いやそれは関係ねぇか




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