百獣の王 ページ23
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ライオン君「俺を起こそうとはいい度胸だ」
触れようとした私の手を掴み目を開く。
『な、起きて…』
ライオン君「ここに入ってきてからだ。」
あんなに心地よさそうな感じで寝てたのに…?
全然気が付かなかった…
ライオン君「ライオンは気配に敏感だ。と言うより、そもそも動物はなにかの気配に敏感なんだよ。じゃねぇと野生じゃ生きていけねぇ。」
徐々に詰め寄られ、お尻が床についてしまう。
『わ、悪いことをしたわ…だけど、今は授業中のはずよ?』
ライオン君「あ"ぁ?かったりぃ。内容が薄すぎて詰まんねぇんだよ。」
『薄いって…でも出なきゃ出席数とか…』
ライオン君「ッチ。ラギーと同じこと言いやがる…」
卒業できるのかしら…?
私のいた高校は留年制度なんてものはなかったし、何か問題を起こせば1発退学のところだったからな…
この学校がどんな場所かはまだ分からないけど、でも授業は出た方がいいわよね…
ライオン君「留年なんざ今更だ。」
『へ?じゃ、じゃあ今あなたいくつなの?』
ライオン君「20だ。」
『同い年じゃない?!ダメよそれじゃ!家族も心配するわよ?』
ライオン君「…」
えと…もしかして地雷踏んじゃった…?
ライオン君「あそこに俺の居場所はねぇよ。」
『…』
ライオン君「アイツらは俺を恐れる。何もかも壊して砂にしちまう俺を。」
腕を握る力が少し強くなる。
『……何があったかは分からないわ…だけど、誰か一人だけでも貴方を正面から見てくれる人がいるんじゃないかしら?』
ライオン君「…」
『いないのなら私がその存在になるわ。』
ライオン君「っ!」
ライオン君は目を見開きこちらを向いた。
そしてククッと笑いだした。
ライオン君「おめぇ。おもしれぇじゃねぇか。
気に入った。俺と真正面から向き合おうとするやつはお前が2人目だ。」
『2人目?やっぱり誰かいたんじゃない…』
ライオン君「…あぁ。鬱陶しい甥っ子がな。ただあいつは、俺の恐ろしさを知らないだけなんだがな。」
『きっとその子は、あなたの恐ろしさを知っても離れては行かないと思うわ…』
ライオン君「なぜわかる」
『だって貴方…さっきとても悲しそうな顔をしたんだもの。そんな顔を見てしまったら離れていくのが逆に辛いわ…』
ライオン君「……ククッ…本当におもしれぇやつだ。気に入った。」
『そう、なら良かったわ!じゃあ授業にも出れるわね!』
ライオン君「あぁ。気分がいい。今日は出てやる」
『毎日出て欲しいのだけれど…』
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零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年8月21日 17時) (レス) @page45 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
薙矢夏樹(プロフ) - 制服すごく可愛いです! (2022年4月7日 15時) (レス) @page43 id: 1d8502dc26 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 続きが気になる (2021年11月13日 22時) (レス) @page31 id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 姉貴さん» 返信・修正・最新話更新ありがとうございます!!!はい、何かあった際は伝えさせていただきます。最新話も「おぉ!」となる感じ(語彙力は皆無です)で楽しかったです!夢主の口調も好きですし…!更新、また楽しみに、気長に待ってます! (2021年11月11日 18時) (レス) @page25 id: fb6be3cd03 (このIDを非表示/違反報告)
姉貴(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます!!文は修正させて頂きました!なるべくこちらでも見つけれるようにしますが、また何かあればご報告よろしくお願いします!! (2021年11月11日 18時) (レス) id: 3059b9c9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姉貴 | 作成日時:2021年10月2日 18時