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悪魔のような君は *yzr ページ10

※内容重め

結弦side

「ねえ、A」

名前を呼ぶと、彼女は振り返り、「なあに?」と優しく微笑んだ。

「俺達ってさ…付き合ってる、よね?」

Aは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに元通りになり、とぼけたように言う。

「何言ってるの、付き合ってるに決まってるよ」

大きく澄んだ瞳を細め、くすっと笑うAの姿は、どこか闇があった。

「前から気になってるんだよね。…その、Aが昌磨と仲良くしてたのが…」

普通なら、世の中でいう、『嫉妬』というものだ。
仲間と仲良くするのはおかしくない、と普通なら思う。でもAの場合、思った事が違った。

「…何か企んでるんじゃないかって」

その瞬間、Aの目の光が失われていき、気が付くと、意地悪な笑みに変わっていた。

「へえ…やっぱ鋭いねぇ、見事だよ、結弦」

俺を褒めると、Aは自由に、何者かに取り憑かれたように喋り出す。

「あんなの見せつけだよ。昌磨くんなんて全然興味ないし、どうでもいいの。」

「私は結弦の事が大好きだよ。結弦は人気者だし、女の子のファンも多いし…誰かに奪われちゃったらどうしよう、って思うんだよね」

「だから、昌磨くんにくっついて、結弦に嫉妬してもらおう、って思ったの。こうしたら結弦は私のとこに来てくれるって」

次々に意味の分からない言葉を発していくAは今までの優しいAではなかった。

「ねえ、知らなかった?私ってすっごく…腹黒いんだよ」

悪魔のように不気味な笑い声をあげる彼女を、俺はただ真っ直ぐに見つめることしか出来ない。

「…そんな事しなくても俺は「嘘つき」

反抗しようとすると、それを察したのか、Aが俺の言葉を遮った。

「嘘つきじゃない人間はいない。こうでもしなかったら、結弦だって私の事愛してくれなくなっちゃう」

そう言うと、Aが俺の前に立ち、真っ直ぐに見下ろしてきた。

「結弦は、私の事だけ見てればいいんだよ。それが貴方の幸せ。そして、私の幸せ」

Aの目も、口も、どこもかしこも、笑ってはいなかった。

「結弦、一緒に幸せになろう」

世界選手権!! *のむたのフリートーク→←銀色に輝く *shm



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設定タグ:羽生結弦 , 宇野昌磨 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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のむた。 - 次作です。 http://uranai.nosv.org/u.php/novel/raikusa/ (2018年4月13日 20時) (レス) id: 61d96cf3b2 (このIDを非表示/違反報告)
のむた。 - まなかさん→ありがとうございました!これからもよろしくお願いします。 (2018年4月12日 6時) (レス) id: 61d96cf3b2 (このIDを非表示/違反報告)
のむた。 - 雪奈ゆきさん→ごめんなさい汗 リクエストに答えられるのが出来なくてすみません。今からは厳しいです…次作をよろしくお願いします! (2018年4月12日 5時) (レス) id: 61d96cf3b2 (このIDを非表示/違反報告)
?まなか(プロフ) - 完結お疲れ様です!!次回作も楽しみにのんびり待ってます!更新本当にお疲れ様でした! (2018年4月12日 0時) (レス) id: dbf487caee (このIDを非表示/違反報告)
雪奈ゆき - 続けてすみません。今からでも書いていただけることは可能でしょうか?次回作楽しみにしています! (2018年4月11日 22時) (レス) id: 8c478332b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のむた。 | 作成日時:2018年3月10日 21時

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