桜姫～夏～ (ページ3)

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3 ＊桜島ページ3

「あれ、空が雲ってきたっす」

壁山の言葉に反応した一同が外に目をやる。

キャラバンの外は、

平行に伸びていく雲のようなものに太陽が隠され、

薄暗い、先程と一転した景色になっていた。

「さっきまであんなに晴れていたのに」

「まさか、エイリアン学園が？！」

「！、外に出てみよう！」

「ダメだよキャプテン。今外に出たら」

「え」

外に出ようと席を立つ円堂を、唯一冷静な吹雪が制す。

「それにこれは、エイリアン学園が来たんじゃなくて、桜島が噴火しただけだよ」

「え、さくらじまが？」

「サクラジマって？」

「桜島はたしか、鹿児島にある活火山の名前ですよね」

「え！てことは、火山が噴火してるってことか？！」

「ひひっひひ避難しなくていいんすか？！」

「大丈夫だよ。桜島の噴火は日常茶飯事で、そんなに慌てることはないらしいよ」

「へ、へえ」

悠々と説明する吹雪に、また皆は呆然とする。

「しばらくしたら収まるらしいから、もう少しまってみようか」

「お、おう…」

・

・

・

「あ、収まったみたいだよ」

吹雪の言葉を合図に、窓の外を眺めると、

そこには、

くもった空の下に、銀色の世界が広がっていた。

「うわあ、そこら中真っ白だな」

「これが当たり前なんだ…。面白い所だね」

「けどなんか…」

「妙なにおいがするでやんス…」

「硫黄という、火山灰特有の臭いですね」

「これも此処じゃ当たり前なのか？」

「そうらしいよ」

「スゲー…」