2 ＊桜姫 ページ2
雲ひとつない青空にはりついた太陽が、
イナズマキャラバンを強くてりつける。
雷門イレブンは、
鹿児島県の市街に到着したのだ。
「うぅ…暑いっす」
「なんか、ねっとりとしてるでやんス」
皆、思った以上の暑さにバテ気味でいる。
「それにしても、その最強のMFって、一体どんな人なのかしら？」
「たしかに…。凄く曖昧な異名だよな」
「最強のMFっていうんだから！きっと最強のMFなんだよ！！」
円堂の意味不明な言葉に会話に参加していた風丸たちは、苦笑する。
「…ゲームメイクが上手い選手なのか」
「違うよ。その子はボールコントロールがとても上手いんだ」
皆が『最強のMF』について模索する中、
吹雪が声をあげる。
「知ってるのか？吹雪」
「うん。鹿児島には知り合いがいてね、きっとその子だと思うんだ」
「？、どうして北海道にいた吹雪君が、鹿児島のその人のことを知っているんですか？」
些細な疑問を目金が問いかける。
「僕とその子は幼馴染なんだ」
「「「ええ？！！」」」
意外な事実に皆驚く。
「小さい頃、その子が北海道に引っ越してきて、その時に仲良くなったんだ」
「へえ。そいつ、サッカー上手いのか？！」
「うん。その時は 桜姫 って呼ばれていたんだよ」
「桜姫？」
「どうして桜？」
「うーん、鹿児島に縁のある逸話に出てくる木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)って姫からか、桜島から来てるんじゃないかな」
思い出すように語る吹雪をよそに、
ほかの人たちは、聞きなれない単語の連発に呆然としている。
「吹雪さん、詳しいんですね…」
「その子が教えてくれたんだよ。鹿児島のこと」
「 最強のMF 、 桜姫 ますます会うのが楽しみなってきた！！」
心踊らせる円堂と同様に、
吹雪も、窓の外の遠くある大きな桜島を見つめながら、
胸を高鳴らせていた。
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作者名：雪 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/nomura
作成日時：2018年5月19日 22時
