桜姫～桜姫と雪原の皇子～ (ページ7)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:400 hit

５話ページ7

「ところで、今更だけど彼女のチームへの許可は得てるのかしら？」

「あ…」

「あって円堂お前なぁ…」

『大丈夫だよ。私チームに入ってないから』

「チームに入ってない？」

「どうして？あんなに上手いのに」

『その、色々忙しくて』

「まあいいわ。それなら問題ないものね」

「親御さんには？」

『…それも大丈夫。私の方で話しとくよ』

「いいのか？そんなんで」

『結構放任主義なんだ。うちの親』

「そっか」

「それじゃあ今度は全員で練習だ！！」

「「「おう！」」」

其々がウォーミングアップを済ませ

今度は６対６の形での模擬練習試合が始まった

『Aちゃん！』

吹雪から櫻へボールが渡る

ボールを保持する櫻の前に鬼道が現れ、二人のマッチアップが始まる

右へ左へと鬼道を躱そうとボールを転がすが

そう簡単に彼は抜けないと気づいた櫻は

ボールを両足で挟みスピンをかけながら蹴り上げた

「！」

そして彼女は体を回し地面を背に仰向けに片足で立ちながら

もう片足の甲にボールを乗せる

そこから少し上に蹴り上げた後

彼女は体を前へと起こし胸でボールを受け取り

静止している鬼道の横をボールと共に走り抜けた。

吹雪へパスしようと思った櫻だが既に彼には2人マークがついていた

「櫻！こっちだ！」

すかさず一ノ瀬からの合図がくる

『…一ノ瀬君』

少し悩んだ後櫻は一ノ瀬へパスを出した

しかしそのボールは、一ノ瀬の前を通り過ぎラインの外へ出て行ってしまった。

『…ごめん』

「ドンマイドンマイ！」

「吹雪と違って俺らは今日が初めましてなんだ。
合わないのも無理ないさ」

「徐々に調整していけばいい」

『ん。ありがと』

しかし、その後何度も櫻から吹雪以外の雷門メンバーへパスが出される場面はあったが

一向にそのパスが繋がることはなかった。

『…ごめんなさい』

思いつめた表情で櫻は皆に頭を下げた

「気にすんなって！」

「…一度休憩を挟もう。
長い間バスに乗っていて俺達も本調子では無いのかもしれない」

「一理あるね。そうしよう」

「あの俺、ちょっとここら辺見て周りたいんスけど」

「俺もいいでヤンスか？」

「ぼ、僕もー」

「ふっ、好きにしろ」

鬼道からOKを貰った壁山、栗松、目金はわーいと両手を上げて喜び

そそくさと遠くにある商店街へと走り去って行った

「迷子になるなよー！」

「じゃ、俺らもちょっくら観光と行きますかぁ」

「だな」

「私達も行きましょうか」

「「はい！/えぇ」」