桜姫～桜姫と雪原の皇子～ (ページ13)

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１１話ページ13

「そこのキミ〜カワイイじゃ〜ん」

「どこ中？」

『…雷門ですが』

広い遊園地内を1人歩いていた櫻に

いわゆるチャラい格好をした

同い年くらいの男子2人から声がかかる

「え〜マジ？雷門ってアレでしょ？
ほら、宇宙人と戦ってるっていう」

「君みたいなカワイイ子にも巻き込むなんて
ヒドイ学校だねー」

「バカ、マネージャーに決まってんだろ？」

「あ、そりゃそっか」

チャラ男2人は喋りながら足を止め質問に答えた櫻に近づき

そして獲物を囲うように彼女の両サイドを挟んだ

『すみません、私用事があるので』

「おっと待っ」

全く動じない様子で櫻が2人から離れ

チャラ男の内金髪の方が彼女の肩を掴もうとしたその時、

颯爽と現れた風丸がその手を掴み上げた。

彼の後ろには土門もいる。

「俺達の仲間に何か用か？」

『風丸君』

「チッんだよ、男連れかよ」

金髪男が風丸に掴まれた手を乱暴に振り解く

するとそこへもう1人のサングラスをかけたチャラ男が近寄って来た

「なになにアンタ？その子のカレシィ？」

「か、彼氏？！違う！」

「ならチャチャ入れないでくれる〜？
俺らこれからこの子と遊ぶ予定だったんだからさー！」

サングラスの男はそう言って馴れ馴れしく櫻の肩に腕を回し自身の方へ近づけた

「そ、そうなのか？櫻」

『ううん、違うよ。ただ声掛けられただけだし。
行こう』

しかし当の本人はそんな事などお構いなしに

回された腕をどかし、何事も無かったかのように風丸の元へ寄った

「あ、あぁ」

そんな淡々とした櫻に土門風丸は少し動揺したが

歩き出した櫻の後に続き足を進めた

「ちょっ待てよ！！」

だが、3人の行く手をチャラ男2人が阻んだ。

「おジョーちゃん見る目ないなぁ〜
そんなダサい男共といるより、俺らといた方が絶対楽しいぜぇ」

『いえ、結構です。やる事があるので』

「だとよ。残念だがお前らのナンパは失敗に…」

「っざっけんな！」

「なら俺らとサッカーバトルだ！！」

「はあ？何でサッカーバトルを…」

「お前ら、地球の命運賭けて宇宙人とサッカーでバトってんだろ？」

「じゃあ俺等とその女賭けてサッカーバトルすんのもスジが通ってるだろ？」

「ふざけるな！そんな事に櫻を-」

滅茶苦茶な意見を主張してくる彼等につっかかろうとした風丸を

櫻が片腕を出し止めた

「櫻…」

風丸と目を合わせた後

櫻はチャラ男2人の方を見て言った

『いいよ。それで済むなら
2対2のサッカーバトルをしよう』