桜姫～桜姫と雪原の皇子～ (ページ12)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:396 hit

１０話ページ12

『士郎…』

大阪のシンボルタワー、通天閣の下に広がる活気に溢れる商店街を窓から眺めていた櫻は、

顔を左へ外し隣に座る吹雪の名前を呼んだ

「なに？」

彼女の呼び掛けに吹雪は、柔らかい微笑みを向けながら聞いた

櫻の瞳に彼の微笑みと首元のマフラーの結び目が映る

『…ううん、何でもない』

「そう？」

幼馴染から目線をそらした櫻は窓の外へ顔を向け

初めて見る街並みをまた静かに眺めた。

数分後

櫻と雷門イレブンがやって来た場所は、

大阪随一の遊園地、なにわランドだ。

「ここが、奴らのアジト…？！」

ジェットコースターや観覧車や空飛ぶ絨毯、

他の遊園地にもだいたいある乗り物にそれらを思う存分楽しむ入場客

とてもパッと見で、理事長が瞳子監督に話した通り、エイリア学園のアジトがあるとは思えない

何の変哲もない遊園地だ。

しかし、瞳子監督が再度確認を取ってみても

エイリア学園のアジトはこの敷地内の何処かにあるそうだ。

「どー見てもただの遊園地にしか見えないデヤンス」

「とにかく探すわよ。ここでじっとしててもしょうがないわ」

「ああ。…？、あれ、吹雪は？」

ふと、円堂が吹雪がいつの間にか居なくなっていた事に気づく

何処に行ったのかと皆が辺りを見回す

「怪しいアジトですよね？」

「だったらこっちだと思います！」

「うん」

しかし皆が見つけた時既に吹雪は

話し掛けたのか掛けられたのか分からないが

遊園地に遊びに来ていた女子2人に挟まれていて、

そしてそのまま吹雪はその2人に引っ張られながら何処かへと行ってしまったのだった。

暫くあっけにとられ呆然とした雷門イレブンは

気を取り直し、数人ずつに分かれて捜索を始めた。