〔暗殺教室〕Ｅ組の暗殺者 (ページ40)

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２３８時間目ページ40

「な、何だ君達は？！
ジャマするな！」

「見ての通り卒業生だよ
テメーらこそ人の花道ジャマすんじゃねぇ」

「君達の強引な取材姿勢には僕等も随分迷惑した
編集してネットに告発しようかね～」

「全員顏憶えたしな
ギシャシャシャ!!」

「さ…僕等に隠れて
駐車場までエスコートしよう」

瀬尾君、荒木君、小山君に榊原君

椚ヶ丘五英傑四人にＡ～Ｄ組の生徒全員が

防壁となって私達Ｅ組に近づく報道陣達をはねのけながら

仰々しく出口までの道を進む

そんな集団の先頭に立つのは当然彼

「大半が今日で縁もゆかりも無くなるとはいえ
仮にも同じ学校で学んだ生徒だ。
見捨てれば支配者の僕の恥になる」

『浅野君』

変わらぬ真っ直ぐな瞳で前を見据え集団を導く

この学校の支配者、浅野学秀

Ｅ組を囲っていた集団は目的のバスの前まで着くと

数人の護衛を配備しばらけた

Ｅ組生徒が一人ずつ椚ヶ丘の校旗の下から出てバスに乗り込む

「赤羽」

すると浅野君が私の前のカルマを呼び止めた

「君も椚ヶ丘(うち)に残るそうだな
ほとぼりが冷めた頃、たっぷり吊るし上げて吐いてもらう
君等をここまで育てた担任、
殺せんせーとやらの話をな」

「別にいいけど
浅野クンの固い頭じゃ全部理解は難しいかなぁ」

最後まで煽ることを忘れないなあ…

ため息交じりにそんな事を思いながらバスに乗ろうと前に進むと

横から手を差し出された

そちらを見ると

柔らかく微笑む浅野君と目が合った

「祝いの門出に躓いてしまっては縁起が悪い
僕がエスコートする」

『ん、ありがとう』

大げさだなと笑い交じりに心の中でツッコみながらも

彼の好意にあまえて自身の手を彼の手の上に添える

何事もなくバスに乗って段差を登り切った後

後ろを振り向くと

じっとこちらを見つめる浅野君と目がまた合った

一瞬だけ、時間が止まったような気がした

「また高校で」

『…ま』

「うん、またネ浅野クン」

浅野君が掛けてきた言葉に答えようとしたら

ヒョコっと横から顔を出した赤悪魔が間を遮って先にそう言った

浅野君の顔に血筋が浮かんだのが目に見えて分かった

グイッとその赤髪を押しどけて

再び目を合わせて思いを伝える

『浅野君、３年間ありがとう
また高校でもよろしくね』

「あぁ、またよろしく頼むよ」

初めて会った時と変わらない

切れ長な鋭い目がこちらを見つめる

何年たってもつい吸い寄せられそうな、強い眼だ