〔暗殺教室〕Ｅ組の暗殺者 (ページ37)

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２３５時間目ページ37

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「初めまして有栖川Aさん
少しだけ時間を貰っていいかな？」

『…』

昼休み、いつも通りに

自分の席で弁当を食べようとしていたら

知らない男子生徒が席の前まで来て声を掛けてきた。

視界の隅でクラスの人達がコソコソ何か話しているのが見える

耳には目の前の男子生徒についての情報がそのコソコソ話から入って来る

浅野学秀。

この学校の理事長先生の息子でテストの成績は常に上位

次期生徒会長の有力候補といわれているそうだ。

まあ、名前だけは廊下に貼られるテストの成績順位表で見てたから知ってたけど…

そんな有名人がわざわざ別クラスまで来て

そのクラスで影の薄い存在の私の前に…

無駄に目立ってしょうがない…

『…。予定があるので
すみません』

波風を立てないように丁重に断り、私は教室から出た

「…」

・

・

・

『はあ…』

今日は無人の屋上でお昼を食べ終え

背中のフェンスに寄りかかり一息つく

さっきのが原因で妙な噂が立たなければいいけど…

『ま、こういうのは無視しとけば落ち着くからいいか』

「君は目立つ事が苦手なのか？」

『！』

声がした方へ顔を向けると

屋上の入り口の前にさっきうちのクラスまで来てた有名人

浅野くんがいた。

少しだけ目が合ってしまったがすぐに顔と一緒に逸らした

足音が近づいてくるのが聞こえて

こっちに来るのかと気だるさを覚える

『…何かご用ですか？』

早く帰ってもらうため端的に用事だけを訪ねる

「そうだね…
手短く、君に生徒会に入って欲しいんだ」

『！…はぁ？』

思いがけない返答に思わず呆れた声を出しながら顔を前に向けてしまった

目の先には膝をついて目線の高さを合わせた彼の目があり

真っ直ぐにこちらを見ていた

すかさず目線だけを下に逸らす

今日初めて会った優等生が私にそんなお願いをするなんて

どう考えても意味が分からない

『どうしてですか？』

「君の能力をかっての事だよ」

『初対面ですよね』

「君の事はすれ違う時などに見ていた。
それと君も同じだと思うが順位表で名前はよく目にしていた」

『私に大した能力なんて無いですよ』

「この僕が求めるのだから
君の能力が大したことない事なんて無い」

『他をあたってください』

「何故かな？」

一問一答で間をあけず繰り返される会話

これ以上続けたくなくて拒絶する言葉をなげたら

今度は向こうから質問された

『目立つような事をしたくないからに決まってるじゃないですか』