〔暗殺教室〕Ｅ組の暗殺者 (ページ22)

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２２０時間目ページ22

「ところで中村さん
山中の激戦でも君の足音はおとなしかったですね
しかも、甘い匂いがするようですが」

粒サイズの目と見分けがつかない鼻の嗅覚で

私たちがサプライズで用意していたアレを嗅ぎつけてしまった殺せんせー

指摘された中村さんは呆れつつサイドポーチからソレを取り出す

「確か雪村先生は
今日を殺せんせーの「誕生日」にしたんだよね」

そう。丁度一年前、

前の担任の雪村先生は今日と同じ日付を

研究施設にいたまだ人間だった殺せんせーの誕生日とし

彼女は月の刺繡が施されたネクタイを贈った。

その日は、あの三日月が生まれた日でもあった…。

小さくも艶やかなフルーツが食欲をそそるケーキを前に

どう見ても我慢出来そうにない殺せんせーを見て

中村さんが慌てて一本のロウソクに火をつけ掛け声をかける

その人の誕生を祝う歌をＥ組の皆で殺せんせーに向けて歌う

「(充分すぎる…。
なんと身に余る…報酬を得た事だろう)」

「オラ吹き消せ殺せんせー！」

「一本しかねーんだから大事にな！」

殺せんせーが慎重な面持ちでロウソクの火を消す

前に

ケーキは目にとらえらない速さで潰された

「ハッピーバースデー」

声がした方を見上げる

そこ、Ｅ組の校舎の屋根の上に二つの影

「柳沢…」

一つは、殺せんせーの生みの親

イトナ君とカエデに「触手」を植え付けるワクチンを使った黒幕

シロと初めは名乗っていた柳沢誇太郎

もう一つは、

全身を黒いフードで覆い隠した長身の人間

[先生…僕が誰だかわかるよね]

「…!!」

以前聞いた時とは若干違う気がするが

聞き覚えはある声

Ｅ組の皆を地下水路の檻の中に閉じ込め

ビッチ先生をも利用した暗殺を仕掛けてきた

最後は烏間先生に倒され防衛相に保護された青年

「改めて生徒達にも紹介しよう
彼が、そのタコから「死神」の名を奪った男だ」

暗殺の世界で「死神」と

人間だった殺せんせーが呼ばれていた異名を襲名した二代目の男

つまり、殺せんせーの昔の生徒…

「そして
今日からは、彼が新しい「殺せんせー」だ」

フードを自ら破り捨て見せたその男の姿は

人間の原型を一切とどめていない

「前は顔だけだったのに…」

まさにバケモノらしき姿だ。

殺せんせーの前へと迫った「死神」二代目

その後に続き柳沢がその後ろへ飛び降りる

「そのタコと同じ改造を施しただけさ
違う点は、彼が自ら望んでこの改造を受けた事だ。
不出来なイトナや義妹とはわけが違う」