〔暗殺教室〕Ｅ組の暗殺者 (ページ2)

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２００時間目ページ2

『おはよう、渚君』

「有栖川さん…！」

受験会場である蛍雪大学付属高校の前で停まったバスを降り

前を歩いていた渚君に声を掛けると

彼は驚いた反応をした。

「有栖川さんもここ受けるの？」

『うん、私立ならいくらでも受けられるからって
殺せんせーと面談したときに併願で受けることにしたの。
まだどの高校に行くか決まってないし』

「…。
なんか有栖川さん、明るくなったね」

『…ん、まだ手探りではあるけど
行きたいところが見えたからかな』

足を一度止め、空を見上げると、

今日もあの三日月が空にたたずんでいる。

遥か遠くの、私が目指す場所…

「…頑張ろうね。お互い」

『ん』

「おい、何だあれ？」

「受験生の親族か？？」

高校の校門の近くまで来ると、

私達より前にいた人たちがそこで変なものを見るような顔をしながら

足を止めていた。

人混みの間を通ってその元凶を見ると

「「フレー―フレーーなぎさ！！
フレーーフレーーアリス！！
フレフレなぎさ！！フレフレアリス！！」」」

それは分身でまるで凱旋のように校舎へと続く道を挟みながら

近くにいた他の受験生の応援に来た塾の先生達が狼狽えるくらいの熱量でエールを送っていた

殺せんせーだった。

「な、何やってんだよ殺せんせー？！」

「もちろん君達の激励です！」
「大事な生徒の晴れ舞台に駆けつけなくてどうしますか」

「にゅやッもうこんな時間？！」
「あと４分以内に木村君と神崎さんと千葉君と原さんの都内会場を回らなくては！！」

「では頑張ってくださいね！！」

殺せんせーは周りに変に怪しまれないよう

わざわざ分身全員分で人混みの中を駆け、慌ただしく走り去っていった。

『忙しないね…』

「うん…」

あの三日月のように

殺せんせーはいつも変わらず

忙しなく、自分より私達生徒を一番に考えてくれる。

そしてあの三日月のように

いつかその姿を消してしまうのかもしれないんだ…

『…』

自分の左手をジッと見つめる

殺せんせーと約束を結んだ小指がある手

その手を小指から左に向かって握っていく。

息を一つ吐いて

鞄から受験票を取り出す

とりあえず今は、目の前の受験(ターゲット)に集中しよう。