185歩目 ページ36
「蓮郭ちゃん！！大変なんだ！！！」
ガララッと実践報告会を終え着替えしている私たちがいる部屋の扉が
勢いよく開かれた
「「「・・・」」」
その扉を開けた通形先輩に、
女子たちのとても冷めきった視線が一気に向けられる
その視線を一身にあびた先輩は、
女子更衣室の扉を何も考えずに開けてしまったことにハッと気付いたように
血の気がひいた顔をすると言った
「…ごめん！」
部屋の中にいた女子の皆が
罵詈雑言とともに先輩へと近くにあったものを投げつけていく
すぐに扉がピシャリと閉められたことによって
ようやく事態が収拾された。
ガラガラ
自分の着替えを終え、
女子たちの怒りが収まったのを見計らってから
私はゆっくりと更衣室の扉を開けた。
通形先輩は、なぜか廊下の隅で縮こまるように座っていた。
『…それで、なにが大変なんですか？』
「そうなんだ！
蓮郭ちゃん！俺と一緒に来て！！
エリちゃんが大変なんだ！！」
急に立ち上がった通形先輩に腕を強く引かれた私は
そのまま教員寮にやってきた。
寮の中の一室に連れて行かれると、
部屋の中で、波動先輩に抱きかかえられているエリちゃんが
涙目で、前より少し大きくなった角を抑えて
ムズムズすると訴えていた。
『エリちゃん…』
改めて部屋の中を見渡すと、
その二人以外に天喰先輩と
授業のときは急用でいなかった相澤先生がいた。
ビリビリと角の周りにはしっていた電流のようなものが
相澤先生がエリちゃんの頭を優しく撫でたことによって
消えた。
「先生、戻ってたんですか」
「ああ。天喰に呼ばれてきた」
「ごめんねー蓮郭ちゃん、
インターンあけで疲れてるのに」
『いえ、気にしないください波動先輩』
少し歩み寄って、
エリちゃんと視線を合わせるように腰をおろす
『…』
まだ感覚が残っているのか、
エリちゃんはまだ涙目で角をおさえている。
エリちゃんは、自身の”個性”がまた暴走することを恐れている。
角も益々大きくなってきたし、
そんな彼女の為に、”個性”をコントロールする訓練が
これから本格的に始まっていくだろう…
『…。
「大丈夫だよ。きみならいつかきっと出来るようになるよ」』
「れんかくさん」
彼女は目を開けて涙をためながら私の方を向いた
私は両手を自分の膝の上に置いて
少し微笑むように、彼女の目を見つめ返した。
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雪(プロフ) - 猫さん» 猫様様ーありがとうございます！原作の展開に溶け込めるよう進めて参りますー (2023年4月28日 3時) (
レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - koyuki_ko_deriaさん» koyuki_ko_deria様様ー今更ながらかしこまりましたー！頑張ります！！ (2023年4月28日 3時) (レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 水無月輝さん» 水無月輝様様ーコメントありがとうございます！ゆったりしてたらもうすっかりアニメと並んでしまいました笑アニオリがあまり無かったので、ＨＬＢとスマイリーの話を書けたらなあって思ってます (2023年4月28日 3時) (レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - お餅さん» お餅様様ーありがとうございます！本誌・コミックが大変な事になってきてますが負けじと頑張ります笑 (2023年4月28日 3時) (レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白かったです！！本編このまま進めて欲しいです！！ (2022年3月27日 16時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/nomura
作成日時：2021年8月27日 7時
