180歩目 ページ31
「客招くならセンシティブなところ見せんなや！！！」
スパンッと
次の食器を洗い場へもっていくために
食事を終え、轟くんと冬美さんが自分たちの家庭について話をしながら、
お皿をまとめてくれている部屋の襖を勢い付けて開けた爆豪くんが
また私の気持ちと似たようなことを大声で代弁してくれた。
「ああ、いけない！
ごめんなさいつい…！」
冬美さんが慌てて口を抑えるように謝って来た。
ぶつくさとまだイライラしながら文句をたれる爆豪くんを
フォローするように謝り返していた緑谷くんが、
ふと手を止めて
轟くんの顔を真っ直ぐに見て言った。
「轟くんはきっと、
許せるように準備をしてるんじゃないかな」
「え」
キョトンとして見つめ返す轟くんに緑谷くんは話を続ける
「本当に大嫌いなら「許せない」でいいと思う。
でも君はとても優しい人だから、
待ってる…ように見える
そういう時間なんじゃないかな」
『…。
すみません、お手洗いはどこですか？』
緑谷くんの話を近くで聞いていた冬美さんに
そうたずねて、
ここを出て左にあると教えてもらった私は
案内しようかと言ってくれたのを、
大丈夫ですと断り、部屋をそそくさと出ていった。
廊下を出てしばらく進んで左手にあった襖を開けた。
すると中には
正座で仏壇に向き合うエンデヴァーさんがいた。
線香の独特なにおいが、鼻をつく。
『…。
あ、すいません、部屋間違えました』
「そんなに珍しいか？」
明かりもついていない子供が使っているような部屋に
なんとも不釣り合いな仏壇を思わず少し長く見てしまったせいか、
エンデヴァーさんは他の事を言うより先に聞いて来た。
『…まあ、そうですね』
エンデヴァーさんの質問に答えながら
私はチラリと仏壇の上に供えられた食事の前に置かれている
白い髪の学ランを着た男の子写真に目をやった。
エンデヴァーさんは、
その男の子は、轟くんのお兄さんで
幼い内になくなってしまったのだとだけ教えてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪(プロフ) - 猫さん» 猫様様ーありがとうございます！原作の展開に溶け込めるよう進めて参りますー (2023年4月28日 3時) (
レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - koyuki_ko_deriaさん» koyuki_ko_deria様様ー今更ながらかしこまりましたー！頑張ります！！ (2023年4月28日 3時) (レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 水無月輝さん» 水無月輝様様ーコメントありがとうございます！ゆったりしてたらもうすっかりアニメと並んでしまいました笑アニオリがあまり無かったので、ＨＬＢとスマイリーの話を書けたらなあって思ってます (2023年4月28日 3時) (レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - お餅さん» お餅様様ーありがとうございます！本誌・コミックが大変な事になってきてますが負けじと頑張ります笑 (2023年4月28日 3時) (レス) id: e9458078f6 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白かったです！！本編このまま進めて欲しいです！！ (2022年3月27日 16時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/nomura
作成日時：2021年8月27日 7時
