1人の有精卵２（僕のヒーローアカデミア） (ページ41)

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「何で”炎”だ？！熱で風が浮くんだよ！！」

「さっき”氷結”を防がれたからだ！
お前が合わせてきたんじゃねえのか？！
俺の”炎”だって風で飛ばされた！！」

敵を前に口喧嘩を始めた二人。

「だってアンタはあの！エンデヴァーの息子だ！！」

「…さっきから何なんだよ、お前ぇ
親父は関係ねえだろう！っ」

そんな隙だらけの轟くんに敵の攻撃、

半液状のセメントの弾が当たった。

撃った敵いわく、すぐに固まって動けなくなるそうだ。

それから立て続けに撃たれるセメントガンを避けながらも

変わらず二人は言い争いを続ける。

「入試の時、アンタを見て、アンタが誰かすぐに分かった！
なんせアンタは、エンデヴァーと全く同じ目をしてた！！」

「同じだと…ふざけんなよ…
…俺は、アイツじゃねぇ」

一方的なイナサくんの言葉に

轟くんはだいぶあからさまにイラ立っている

チラリと後ろを確認して、全員の避難が終わったのを確認した

「俺はアンタら親子のヒーローだけは！
どうにも認められないんスよ！！以上！！」

「っ」

また同時に攻撃をして、また相殺された二人の”個性”

しかし今度は、

”風”にのった”炎”が近くで倒れていた真堂さんに向かっていた

それを咄嗟に、

被災者たちの避難を終えて戻ってきていた緑谷くんが救った。

「なにをしてんだよ！！」

真堂さんを抱える緑谷くんが二人にむかってそう叫んだ。

『…はぁ』

ジャングオルカの”超音波”で

イナサくんと轟くんの動きが封じられるのを傍目に

私は緑谷くんと彼が担ぐ真堂さんの前に立った

『真堂さん、狸寝入りやめてここの死守お願いします』

「え、狸寝入り？」

「チッ、バレてたのかよ…はぁ」

緑谷君が肩に担いでいた真堂さんが舌打ちと共に起きた。

「とっとアイツらシメてこい！雄英！」

『はい』

そうして私は空高くとんで、

ジャングオルカに捕まっている轟くんと

地面に倒れているイナサくんの元へ向かった。

その後ろで、

たぶん真堂さんの”個性”によってだろう、

大きな地鳴りと共に地面が砕ける音と、敵達の叫び声が聞こえた。