1人の有精卵２（僕のヒーローアカデミア） (ページ17)

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６６歩目ページ17

轟side

「蓮郭！」

言動がおかしいいかれた野郎を相手にしていると、

視界の隅で、顔面つぎはぎだらけの男が抑えている蓮郭が

マジシャンの手でビー玉に変えられたのが映った。

俺は咄嗟に”炎”を出して

敵二人の間に割って入った。

「っクソガキが」

マジシャン野郎が避けるように両手を上げた、

その拍子に、ソイツの手からビー玉が炎の中に一個落ちる

さっき、ビー玉になってたアイツに

つぎはぎ男の炎は効かなかった。

なら俺の”炎”でも、ビー玉状の蓮郭に被害はないはずだ。

すぐさま”氷”で蓮郭が入ったビー玉をこちらへ転がす道を作った

そして氷の上を転がるビー玉は無事に俺の手の中におさまった。

「ッチ…おい、爆豪は？」

「それなら、この右ポケットに…ん？」

「緑谷、轟！逃げるぞ！！
今の行為ではっきりした。”個性”は分からんが、
さっきお前が散々見せびらかした、
右ポケットに入っていたコレが、常闇、爆豪だな。
エンターテイナー」

「障子君！」

「ほほぉう！あの短時間でよーく！
流石六本腕！まさぐり上手め！！」

「でかした障子！」

障子がアイツのポケットから

常闇と爆豪を閉じ込めているビー玉を

取り戻してくれたおかげで、

攫われた仲間たち全員の救出が済んだ俺らは

敵から反対方向へ走り出した。

「アホが」

「イヤ待て」

「！、脳無？！」

「！、こっちだ！」

走った方向の森陰から脳無が一体出てきたのを見て

俺らは左へと折れた

「「「！」」」

しかし、その進行方向には

「ＵＳＪにいた…」

「ワープの？！」

ＵＳＪ事件の時、

数十人もの敵を建物内へ入れ、

俺らを各ゾーンに散らばせた、

ワープの”個性”をもつ黒い靄野郎がいた。

「合図から五分がたちました。
行きますよ。荼毘」

後ろで、敵達が1人ずつ帰っていき

マジシャンの男とつぎはぎ男だけが残った

「待て。まだ目標が」

「ああ。アレはどうやら走り出すほど嬉しかったみたいなんで、
プレゼントしよ」

「「「！」」」

マジシャン男の言葉が引っかかった俺らは

一斉にそいつの方を向いた。

「クセだよ。マジックの基本でね。
モノを見せびらかすときっていうのは、
見せたくないモノがある時だぜ」

そう言って仮面を外し、

半分顔を見せると舌を出したマジシャン野郎

その舌の上にはビー玉が三つ乗っていた。