【ユーリ!!!on ice】 幻のhistory...

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僕が温泉から出るとそこにいたのはAさんだった。

貴「どうでした？生のたった一人のあこがれのスケート選手は？」

ニコリと微笑む彼女。

僕の憧れ...

勇利「そうですね...なんとも言えないです」

彼女はふふと笑った。

勇利「たった一人のあこがれのスケート選手かぁ...」

僕にとっては一人じゃない。

シニアにあがらずにやめた、目の前の彼女と同性同名の人物、AAもあこがれだ。

彼女の滑りは人を感情移入させるような滑りでとても美しい。

僕も彼女はシニアに上がり、今も活躍しているのを期待していた。

勇利「実はもう一人いるんですよね〜あこがれの選手」

僕はイタズラっぽくAちゃんに笑いかけた。

すると彼女は不思議そうな顔をし、

貴「勝生くん、ソチのグランプリファイナルへ出てたから
　 大体の選手とは一度会ってるんじゃないですか？」

よく知ってるな。スケート好きなのか？

勇利「僕のあこがれの選手はその選手が16のときリンクで怪我をしてやめたんだ」

最後の曲は...魔王だったかな？

貴「へぇ、その方はどんな曲を滑っていたんですか？」

俯いた僕を覗き込むようにして聞いてくる彼女。

勇利「最後は...魔王、だったかな？」

彼女は一瞬瞳の奥を曇らせた。

貴「じゃあ、その選手とも会えるといいですね」

彼女は僕の目に微笑を残し去っていった。

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