side萩原 ページ23
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Aちゃんの家をずっと見張っているが出てくる気配がない。そりゃそうだろう。
彼女は引きこもりだ。
「インターフォン...押してみるか」
はぁとため息をついて、彼女の家の門扉の前に止まった。
ピンポーン
インターフォンを鳴らすも人が家の中で動いている気配がしない。どこかに出かけているのか。
いや、彼女は相当な用事ではない限り、外出はしないだろう。
俺が武田と書かれた表札の前でもたもたしていると松田から電話がかかってきた。
「もしもし。」
『もしもし、武田はいたのか?』
「それがインターフォン押しても出てこないんだよ」
『それより、お前、今日無理やり休み取ったみたいだな』
あ..この流れは。
『お前、なんてことしてんだ!仮にも警察だろ!?』
松田の怒鳴り声が聞こえたので受話器を落とした。
恐らくもう一度着信が来ると思うので、電源も落としておく。俺は電源の落ちた携帯を見て、ため息をつく。
「はぁ」
「お兄さんここのおうちに何か用なの?」
俺に声をかけてきたのは小さな少年だった。黒の眼鏡をかけていて、右手にはサッカーボールを持っている。
「あぁ、ここの主人にな。坊やはこんなところで何してんだ?」
男の子に笑顔を向けてやれば、男の子も笑顔を返す。
「僕はね、向こうで友達とサッカーしてたんだけど、ボールがここに飛んできちゃったから取りに来たんだよ。そこでお兄さんが何かしているから気になっちゃって」
「そうかそうか、お兄さんはな、ここの主人の友達なんだ」
「へぇ!」
男の子は少し驚いたような表情をする。少し男の子は考え事をして、
「僕、ここの家のお姉さんのこと知ってるよ。男の人を連れて、車でどこかに行っちゃったよ」
それを聞いた瞬間俺はポケットの中で携帯の電源を入れた。ショックで仕方なかった。
まさか本当に彼氏?
ここの家で同棲しているのか?
彼女は今そいつとどこにいるんだ。俺は不安と焦りでいっぱいだった。
自分の彼女であるわけがないのに、誰かにとられるという焦りが。
プルルルル プルルルル
「もしもし、松田!どうしよう!!」
『どうしようじゃねぇよ!』
「ほんとに彼氏がいるかも!!」
松田は電話越しで大きなため息をついた。
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愛鞠_あいまり_(プロフ) - 素直に面白かったです。阿笠博士とどんな関係なのか、恋人がいると思ってる人との関係はどうなるのかなども今後気になります。 (2021年1月13日 3時) (レス) id: 235ec261d4 (このIDを非表示/違反報告)
純情ぺてん師(プロフ) - 麗奈さん» いえいえ!わざわざありがとうございます!! (2020年6月6日 18時) (レス) id: 5456510253 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 空間を開けて書き直して頂き、ありがとうございました。もともと好きだったこの作品がもっと好きになりました。これからも更新、頑張ってください。応援しています。 (2020年6月4日 19時) (レス) id: 81f99139dd (このIDを非表示/違反報告)
純情ぺてん師(プロフ) - ぽんちゃんさん» よくわかりましたね!流石、コナンくんの事を知り尽くしていらっしゃる!! (2020年6月4日 9時) (レス) id: 5456510253 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃん(プロフ) - 裾掴まれた時点で盗聴器ついてる (2020年6月4日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:純情ぺてん師 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nomuharu261/
作成日時:2020年5月12日 0時