ウタカタノオト２ (ページ25)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:13,088 hit

#ふたりの距離ページ25

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「疲れた〜」

はあ、と思いきり息を吐きながらロビーのテーブルに突っ伏した。

初めての海外でのレッスン。
時差ボケも乗り越えて、地獄のジャンプ練習も問題なく捗り、素敵なスケーターの方々と同じリンクで練習できた。

自分の英語も拙いし、社交的なタイプではないからあまり会話はなかったけれど、温かい雰囲気の中でレッスンに参加することができて、とても満ち足りている。

これから大会に出場していくために大切な時間を、ここで過ごすことができたと思う。

「本当はこの時季、合宿っぽくやったりもするらしいけど、今回は初海外だしお試しってことで」

「ジスランに誘っていただけて何よりです」

「だな。あ、ちとジスランのとこ行ってくるわ」

隣で一緒に休んでいたコーチは立ち上がり、リンクサイドに小走りでかけていった。

そういえば、何でジスランと神谷コーチは繋がっているんだっけ。

何だかんだ2人は長い間連絡を取り合っているみたいだけれど、私が思うに神谷コーチ側からの押しが強くて、ジスラン側が付き合ってくれている状態だ。

実際のところどうかは定かではないが、始まりもきっとそんな感じだろう。