【番外編】光を見る人 ページ18
「お嬢ちゃん」
後ろから私を呼ぶ声は
落ち着ついていて、大人しさがあるのに
静かで確かな殺気を持つ。
例えるなら、夜分遅くに出会ってしまった人斬り。
「生前、近くに銀色の男がいなかったかい
周りがギラギラ光ってるよ」
「えっ、あっ、銀色......?」
呼ばれた声に振り向けばがっちりした体格でおまけに身長も高く、その風貌は華奢な体のAを圧迫させた。
突然の質問にうまく返せないでいる彼女は一度冷静になろうと深呼吸をする
「ぎ、銀色のお侍さんなら傍にいてくれました」
「侍................」
さらに殺気を放つ橙色のサングラスをかけた男。よく見れば奥の目は閉じられてる。
盲目なの......?
ということはさっきから話している“銀色でギラギラ”はこの人にしか見えない魂の色?
「あいにく、その色は嫌いなんだ」
握っていた刀が大きく振るわれる
降りかかってくる刃に目を瞑った
「晋助さんッ.......!」
思わず呼んでしまった愛しい人の名前に目の前の男はぴたりと止まった
「........おや、そうかい」
眩しい色が邪魔で気づかなかったよ、とよくわからないことを男は話し続ける。
先程までの鋭く尖った殺気は消え、穏やかな表情に変わった。
「アンタ、あの人の知り合いだね
それも特別大事にされていただろう」
淡々と言葉を続けながらAの首すれすれにあった刀を鞘に収める。
殺されると恐怖を感じるのは死んでからも同じで気持ちが動揺してしまう。
足がガタガタと震える彼女を見て男はまた口を開いた。
「怖がらせて悪かったね。そこらで茶でもどうだい」
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ポテト(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。作っていただきありがとうございます。 (2022年8月2日 1時) (レス) @page35 id: becea61854 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» 中学生はとても感情が複雑でそれに受験が重なると苦しいことが多いかもしれませんがあまり気負わずご自身が出せる力を出して自分に合った場所を探せるといいなと思います。疲れたらいつでもひまわりの彼女に会いにきてくださいね! (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» たくさんの作品にたくさん感動していた側の自分が新しく作品を作りあの頃の私のように感動してくださる方がいらっしゃるのはとても感慨深いです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» 愛情こもったコメントありがとうございます。嬉しすぎて泣いてしまいました。私もみーこさんのように読み漁っていた時期があり一通り読んだ後にもっとあんな設定でこんな文章の作品が読みたいと考えるようになったのがこの小説の執筆を始めたきっかけです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - やっぱり素晴らしいですね。花言葉のエモさを理解したし、色んなことを教わった作品。ボロ泣きした夢小説は少ないんですけど、そのひとつでした。今どうかはわかりませんが、この作品は永遠に不滅だと思ってます。銀魂が終わってもまた、訪れさせていただきます。 (2020年10月28日 21時) (レス) id: 322bb6492e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴 | 作成日時:2018年8月14日 23時