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四十九話 約束だよ ページ1

松下村塾の光景が目の前にあった


そこには幼い頃の俺がいる


Aの部屋を見ればいつもと変わらず外を見つめていた


本当に外を見ているのか

それではない何か....自分に迫ってきているものを見ているのか


誰かの前では決してみせない、

覗いていないと気づかない
その儚さのある瞳は時折見せる先生の空虚な瞳とは違う


薄い涙の膜が張ったような憂いのある瞳だった


「晋助さん」


「な、なんだ」


部屋を覗いていることがバレていることに焦る小さかったころの俺。そんな姿を余所に目の前の彼女は言葉を続ける



「私が死んだらお墓にひまわりの花を置いてほしいの」








目を開ければ自室のいつもの天井

「夢か」

外を見ればまだ江戸は真っ暗な闇の中


なぜ今あの時の夢なのか


儚くて、静かで、切ない彼女はそう言っていた

日も暮れて俯き続けるひまわりを見ながら。


俺は、何も言えなかった


今から死んだ後のこと考えてるのかよ、とも

普通墓には菊とか供えるもんだろ、とも

茶化すことはできたはずなのに


口を開けられず立ち尽くすことしかできなかった


Aが死んだら....


簡単に想像がついてしまう自分に嫌気がさす

彼女はいつ消えてしまってもおかしくないような脆い人形のようだった


いつも皆にみせていた明るい笑顔とは変わり

一人でいるときは脆くて、今にも壊れてしまいそうで


彼女の存在はあまりにも儚かった

手を伸ばしてもしっかりつかむことができるのか


本当にいたのか

わからなくなるほどに。


「約束だよ」


消えてしまいそうな彼女としたそれはもうすぐ果たさなきゃなんねェのか



A、最後にした約束も護れない俺に

してやれることなんざそれぐれェしかもうねェのか

五十話 会いにいって欲しい→



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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 死ネタ   
作品ジャンル:アニメ
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ポテト(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。作っていただきありがとうございます。 (2022年8月2日 1時) (レス) @page35 id: becea61854 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーこさん» 中学生はとても感情が複雑でそれに受験が重なると苦しいことが多いかもしれませんがあまり気負わずご自身が出せる力を出して自分に合った場所を探せるといいなと思います。疲れたらいつでもひまわりの彼女に会いにきてくださいね! (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーこさん» たくさんの作品にたくさん感動していた側の自分が新しく作品を作りあの頃の私のように感動してくださる方がいらっしゃるのはとても感慨深いです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーこさん» 愛情こもったコメントありがとうございます。嬉しすぎて泣いてしまいました。私もみーこさんのように読み漁っていた時期があり一通り読んだ後にもっとあんな設定でこんな文章の作品が読みたいと考えるようになったのがこの小説の執筆を始めたきっかけです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - やっぱり素晴らしいですね。花言葉のエモさを理解したし、色んなことを教わった作品。ボロ泣きした夢小説は少ないんですけど、そのひとつでした。今どうかはわかりませんが、この作品は永遠に不滅だと思ってます。銀魂が終わってもまた、訪れさせていただきます。 (2020年10月28日 21時) (レス) id: 322bb6492e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月14日 23時

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