曖昧 me mind

vol.4 ページ4

side:kei








目を開けたら、見慣れた白い天井。
明るい光が差し込む窓の外には、穏やかな青空が広がっている。


そんな穏やかな空みたいに、俺の体調も穏やかで、落ち着いていた。

ここ数日はずっと体調がよくて、そろそろ外出許可も出るかなぁ、なんて期待もしてて。
そしたらどこに行こうかな。のんびりお散歩なんてのもいいけど、お買い物ってのも楽しそう。



｢伊野尾くん、おはよう。｣

｢あ、高木。おはよー。｣

｢……先生、ね。調子はどう？｣


明るい茶髪の、あまり医者には見えない容姿。
見た目ヤンキーみたいだけど、中身はとっても優しくていい人。

そんな俺の担当医の高木(せんせー)。
初期研修二年目で、俺の一つ年上の26歳。
年が近いからか、はたまた高木のコミュニケーション力が高いからか、すぐに仲良くなれたし何でも腹を割って話すことが出来る。



｢ふふ、今日も調子いいよ。｣

｢そっか。ま、とりあえず熱計るよ〜。｣


検温と、血圧と……まぁいろいろ、朝から高木も大変だねえ。

俺は特にすることもないし、お腹すいたし。
あーあ、朝ご飯まだかなぁ。


なんてのんびり俺がそんなこと考えていると、高木が手際良く検査を終わらせていって。
研修医の中でも優秀なんじゃね？って、心の中で褒めてあげる。


｢はい、異常ないね。じゃあもうすぐ朝ごはん持ってくるからね。｣


そう言って笑顔で病室を出てった高木。
これはほんとに、外出許可出るかもしれない。


(……あ！)


そういえば、と携帯を取り出す。
最近見つけたブログ、｢青空日和｣。
管理人さんはfineさんで、綺麗な空とか、景色とか、美味しそうな料理とかを載せてて。

外になかなか出れない俺の、一番の楽しみ。
この無機質な部屋の外には、こんなきらきらしたものがいっぱいあるんだって、そう思ったら笑顔になれるから。


｢……あ、更新されてる！｣


新しい投稿を見つけて、笑顔になる。
fineさんの写真はとっても綺麗で、きっとfineさんって素敵な人なんだろうなぁって思う。


今日はどんな写真だろう。
わくわくしながら、今日の投稿を読んだ。

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