vol.23 ページ23
side:kei
暇だ。
真っ白に囲まれたベッドの上、やることと言えば読書とテレビを見る事と、それからスマホをいじること。
となれば、何度もブログの更新を確認してしまうのは仕方ないだろう。
何度も何度もfineさんのブログを確認して、急に出てきた新しい記事に驚いてしまった。
勿論投稿時間は数秒前で、わくわくしながら記事をタップする。
「あ、伊野尾くん、またスマホいじってる。もう消灯時間だよ。暗いとこでスマホいじったら目悪くなるんだからね。」
「うわ、高木。急に入ってくんなよー!びっくりしたじゃん!」
「ノックしたよ?伊野尾くんが気付かなかっただけ。ほら、もう寝るよ。」
「子供じゃねーんだから。俺ぐらいの年の奴はこんな時間でもまだ普通に起きてるんだから。」
高木は困った顔をして、早く寝るんだよ、とだけ言い残して病室を出て行った。
高木は俺に甘すぎる。それも分かっていた。
暗い病室の中で、明るいディスプレイを見た。
今日のfineさんの記事はどんなだろう、ってわくわくしながら。
いつも元気をもらっているfineさんのブログ。
だけど、今日の記事はなんだかもやりとした。
駅前のプリン。それは都内にしかなくて、更に学生時代から食べているってことは。
つまり、fineさんは都内に住んでいるってこと。
それは単純に嬉しかった。会える距離に居るという事が分かって、もしかしたら、なんて淡い期待を抱いたりして。
だけど、『友達は本当に才能があって』という言葉が、どうにも引っかかって。
fineさんもそういう、なにか芸術に関する仕事をしているのだろうか。
……fineさんも、才能、なんて言葉を使うのか。
『お前はいいよな。才能があるんだから。』
昔、大ちゃんにも出会うもっと前。
友人から言われた言葉に、俺は酷く傷ついた。
ピアノが上手く行かなくて、行き詰っていた友人を慰めようとしたときに言われた言葉。
あのころは子供過ぎた。俺も友人も、子供過ぎたんだ。
分かっているけれど、どうしてもその言葉が胸を締め付けた。
つまりは、その人は俺の努力なんて見ていなかったのだ。
才能なんて言葉で俺の努力をまとめてしまうような、そんな……
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天凪(プロフ) - サクラさん» このような形になってしまい、本当にすみません…!これからも頑張りますので応援よろしくお願いします! (2017年3月6日 8時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - そうだったんですねぇ、これからも頑張って下さい!! (2017年3月5日 19時) (レス) id: d7def24883 (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 萌伽さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ございません!これからも頑張ります。温かい応援よろしくお願いします! (2017年3月5日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
萌伽(プロフ) - とても面白いです!! こんな文章かけていいなと思います、 これからも更新頑張ってください! (2016年10月3日 9時) (レス) id: 4cef1c3763 (このIDを非表示/違反報告)
乃海(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます!頑張ります〜!<(_ _)> (2016年4月3日 10時) (レス) id: 99f0b4f5e8 (このIDを非表示/違反報告)
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