【w.r.w.r.d】嫌いなあなたへ無能な私より・２

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Aは彼女から視線を外すとやっと周りの視線が自分に向いていることに気が付いた。
どうして自分を見ているのか、その理由を考えていると目の前の彼女はそんな時間を与えてくれないようで
話を続ける


??「塵も積もれば山となる。なんて言葉あるよね

今の状況ってまさにその通りだよね


もう、あなたは壊れる。

心も身体も全部全部

壊れて、壊れて、ぐちゃぐちゃになる


そんなことにならない為に、あなたはワタシを創った
無意識に生み出したワタシというもう1人のあなたを

あなたの自己防衛能力がそうさせたんだよ。」





話に脳がついていけていない

それなのに、どこか納得している自分がいる
彼女の言葉の意味を理解してしまっている自分がいる

私がもし、本当に彼女を創り出しているのだったら

私は、彼女を…目の前の自分自身を、もしかしたら









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿殺iしてしまうかもしれない

道連れにしてしまうかも、しれない。


ごめんなさい。

もう誰にも迷惑なんてかけたくないのにごめんなさい。


胸の奥で、何度も何度も謝る

Aは自分が限界だと言うことを今やっと理解した
見て見ぬふりをずっとしていた

彼女の言うことは全て事実。

Aは全て理解したのだ
彼女の言う、言葉の意味を

だからこそ、謝らなければいけない
こうして彼女を生み出し、Aの痛みを全て彼女に注ぎ込んでしまった。押し付けてしまった

傷つくのは自分だけで、良いと思っていたのに
実は無意識にAの痛みを肩代わりする身代わりを創ってしまったことを後悔した




こんなことになってしまうなんて。

彼女は今、私と机を挟んで対面している

顔がすぐ近くにある

そのおかげでよく顔が見える


私だ。


紛うことなく、これは私だ。



また改めて、そう思った


ただ、違うとすれば
この傷だらけの体に、真っ黒な瞳


痛々しいこの傷と、底の見えない真っ黒な瞳には
吸い込まれてしまいそうだ

私を優しく、呑み込むように私を見る



不気味な瞳がAを見つめる
彼女の想いが、心情が、ダイレクトに伝わってくる様な感覚が全身を伝う

その感覚が、想いがAをおかしくさせる、狂わせる、考えを鈍らせる

なんと声をかければいいのか、いや、彼女にはこの考えさえ伝わってしまっているのか＿＿



＿＿＿＿＿もう、考えるのも疲れてしまったな。

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