no mind ｡13｡ ページ13
･
智「教室帰ろっか」
渡里先生に背を向けて先生が立ち上がる。
両手を“ん、”って差し出してきた。
掴まれってことなのかな。
･
智「帰るよ」
「…」
渡「大野くんのこと軽蔑したんじゃない？」
いやらしく渡里先生の赤い口角が上がる。
渡里先生の狙いは分かってるから、まんまとハマるつもりはない。
･
･
智「Aちゃん」
綺麗な手があたしのを掴み、力ずくで立ち上がらせた。
痺れた足は力が入らず、膝が崩れる寸前で大野先生が身体を抱き上げる。
･
智「高校生に刺激的なこと言ってんじゃねえよ。
教師ならちゃんと考えろ」
空中でブラブラする足の先越しに口をへの字に曲げてる渡里先生が見える。
･
渡「中吉さんは大野くんのお気に入りってことね」
智「…」
渡「でも、気を付けなさいよ？
この人誰にでも手出しちゃうんだから」
「渡里先生も、手出されたうちの一人ですよね」
渡「ふふ、お願いしたら簡単にOK出してくれたんだもの」
･
大野先生が歩き出して渡里先生と距離が生まれる。
過去をほじくり返してほしくないって、あたしを抱いてる腕が訴えてる。
･
無言のまま階段を上って、真っ暗な廊下の先にワイワイしてる教室がある。
光が点ってるそこは、明るくて暖かい。
･
智「歩ける？」
「うん」
さっきの話題には触れない方がいいのかな。
･
智「…何考えてんの」
「先生のこと考えてる」
教室が近くなる。
あと20メートルも歩けばドンチャン騒ぎの室内が見えるだろうな。
･
智「軽蔑して当たり前か」
「渡里先生の話認めるの？」
智「認めるも何も。ぜんぶホントの話」
「恋愛したことないって話も？」
智「恋って何か分かんねえもん」
今と同じ外見で
毎日違う女の人を抱いて過ごした先生の学生時代。
想像は容易に出来た。
･
「あたし先生のことこれっぽっちも軽蔑してないよ」
智「“最低っ！もう先生なんて嫌い！”ってなんないの？」
「誰ソレ(笑)ならないよ」
教室の入り口に立つと
雅紀と翔が“おかえり”って迎え入れてくれた。
明るい教室はやっぱり暖かい。
･
no mind ｡14｡ watari→←no mind ｡12｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 611人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えりも(プロフ) - しゃぼん玉。さん» 毎日チェックしてくれてすごく嬉しいです♪もっと夢中になれるお話にしたいと思います。ドキドキさせますよ(^^)４もよろしくお願いします♪ (2013年9月23日 0時) (
レス) id: 8aefd8df71 (このIDを非表示/違反報告)
えりも(プロフ) - 美和さん» そうですね。ハッピーエンドに結び付けるよう工夫していきたいと思います(^^) (2013年9月23日 0時) (レス) id: 8aefd8df71 (このIDを非表示/違反報告)
しゃぼん玉。 - パート３お疲れ様です。毎日更新されるのか覗いて。この作品にぞっこんしたみたいです (( ぱーと４でも私をどきどきさせちゃってくださいな、（（ (2013年9月23日 0時) (レス) id: 79e444eafa (このIDを非表示/違反報告)
美和(プロフ) - えりもさん» 主人公ちゃんが先生と和くんの闇を癒していってほしいですね。 (2013年9月22日 8時) (レス) id: 143f26fc8d (このIDを非表示/違反報告)
えりも(プロフ) - 美和さん» よかったです♪ピュアな主人公ちゃんと過去に闇を持つ先生&カズとの関わり方を考えるのがまた難しいです（計画性ゼロなので笑） (2013年9月22日 6時) (レス) id: 8aefd8df71 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えりも
| 作成日時：2013年9月10日 21時
