▼揺らがない決意 ページ6
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その後即答で「無理」と断られ、その場の空気は地獄と化した。凪くんは周りの好奇の視線なんか気にも留めずスタスタと校舎に入っていってしまったので、私だけがおおいに注目されてしまう。
何で今告白したんだろう私…って羞恥心でいっぱいになった。まともに誰かと目も合わせられずに新しいクラスに向かえばまさかのその彼とは同じクラスだったし、クラス替えの自己紹介の時には「さっきフラれてた子だ」と言われる始末。後々知ったが学校中で噂になったらしい。泣いた。
マジで不登校を考えたけど、それでもやっぱり諦め切れなくて。あれから一か月もの間、誰にでもわかるくらい開き直った態度で全力で愛をぶつけているのだが、未だに彼は私に興味すら抱いてくれていない。
…それでも。
「アンタ昨日告ってた子でしょ?冷やかしとかじゃなくて仲良くなりたくて」
「うん。あんなに大衆目前で告白するってすごい勇気のいる事だと思うし…私たちは応援してるよ!」
『…へ、』
周りは私を応援してくれるようになった。まっすぐに愛を伝える私に好感を覚えた子はいい友達になってくれたし、玲王ガチ勢で私をよく思っていなかった子も「凪くん好きならいっか」といつしか温かい目で見てくれるようになった。これだけ環境に恵まれているのだからあとは私の努力次第。
絶対絶対、私に興味を持たせるんだ!
その決意は今もまだ変わらない。
▽
「(………あ、寝てる)」
十数分前までは騒がしくしながら隣で弁当を頬張っていたはずだが、いつの間にか彼女は机に顔を伏せてすやすやと眠っていた。いつもうるさいから寝ている姿は初めて見る。
まだ昼休みが終わるまで時間があるしわざわざ俺が起こす必要はないだろう──そう思いゲームを再開しようとすると聞こえてくる声。
「授業始まるまでゲームしようぜ…って山下、お前の席で桃原寝てんじゃん!お前よかったな」
「バカ言うなって!聞こえたらどうすんだよ!」
「大丈夫だって。爆睡してんじゃん」
ひそひそと盛り上がる同じクラスの男子。名前は忘れたけど確か桃原の事が好きだって噂のあるヤツだ。といっても彼女が俺を好きだというのは周知の事実らしく、なかなか告白に踏み出せないらしいが。
寝ている彼女に再度目を向ける。
「(……黙ってたらモテるだろうに)」
何で俺なんかに興味持ったのかな。___その事実を知るのはいつの事になるのやら。
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雪菜(プロフ) - Kyoro丸。さん» !!!!めちゃくちゃ嬉しいです〜!!続編行きそうなのでこれからも頑張ります!!ありがとうございます☺︎☺︎☺︎ (2023年4月7日 16時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
Kyoro丸。(プロフ) - いや、これは殿堂入りしなければならない作品でしょ!めっちゃタイプです!これからも頑張ってください〜! (2023年4月7日 14時) (レス) @page10 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - みっちゃんさん» うわあああ嬉しいです!!春休みなのでちょくちょく更新していきます!ありがとうございます〜〜〜!!! (2023年4月7日 12時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - もうどタイプすぎて時間を忘れて一気見してましたwww. 新しい更新まってまーーーす!!!!!!! (2023年4月7日 12時) (レス) @page33 id: 49aaf38551 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - さえさん» 本当ですか…!!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!!動悸がすごいです!!ありがとうございます〜!!!☺︎☺︎☺︎ (2023年4月3日 0時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪菜 | 作成日時:2023年3月7日 21時