▼私に興味がある凪くん ページ40
-
私も彼に倣って立ち上がると、彼は警戒するように後ずさった。…んな取って食おうとかそういうわけじゃないのに。だけど私は遠慮なく大股で彼に近づいた。
当然私達の距離は近くなり、私は自然と彼を見上げる体勢となる。
『…これでもまだ私に興味がないって言うの?』
「…意地が悪いね、桃原」
『ふふ、好きな子には意地悪しちゃうタイプなのはお互い様だと思うけど?』
「思いあがんな」
いきなりスンッとした顔になって私の頭にチョップしてくるもんだから「ええっ?!」と驚く。え、今いい感じだったのに何でそんな真顔になってるんだ?
うーん、やっぱり恋愛の駆け引きって難しい。
でも初期の時と比べてかなり進展した事くらいは見て取れる。あと一押し…二押しくらいすれば付き合ってくれるだろうか。いや、まだ「付き合うの面倒」って断られる段階かもしれない。もう少しの辛抱だ…!!
「…興味くらい、俺でも持つよ。毎日懲りずに話しかけに来ては何もせずとも幸せそうな顔して帰っていくなんて玲王でもしないし」
『比較対象は玲王か…』
「それにあんなに真っ正面から好意をぶつけてくるやつ今までいなかった。大抵は面倒くさがり屋な俺の性格を知って離れていくから」
「…だから居心地がよくて、でも確信は持てなくて。だから試すような事して桃原の事傷つけた」
「ごめん」と彼は私の目を見てちゃんと言ってくれた。
あの時、彼が私を傷つけたのは故意だったのかと納得する。彼は私が向けてくる好意が本物かどうかわからなかった。…だからあんな事をねえ。
『いいよ。怒ってないし』
「…」
『でももし償ってくれるなら
私の事、下の名前で呼んでよ』
安いもんでしょ、と言うが背を向けて歩いて行ってしまう。あ、やっぱり無視?そんな気はしてたけど。そうだよね凪くんがそんな素直に私の名前を呼んでくれるわけがな──…
「…A」
『…』
「…
君が言ったくせにだんまり?」
『…ちょっと待って脳みそが思考に追いつかなかったからもう一回言って!脳内に永久保存するから!』
「絶対言わねー」
『お願い!凪くんってば〜!!』
彼は私に興味がある。でもまだ恋愛的に好きになってくれてるかはわからない。だからこれからは私と付き合ってくれない凪くんと凪くんと付き合いたい私の攻防戦が始まるのである。
𝓕𝓲𝓷.
-
261人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪菜(プロフ) - Kyoro丸。さん» !!!!めちゃくちゃ嬉しいです〜!!続編行きそうなのでこれからも頑張ります!!ありがとうございます☺︎☺︎☺︎ (2023年4月7日 16時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
Kyoro丸。(プロフ) - いや、これは殿堂入りしなければならない作品でしょ!めっちゃタイプです!これからも頑張ってください〜! (2023年4月7日 14時) (レス) @page10 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - みっちゃんさん» うわあああ嬉しいです!!春休みなのでちょくちょく更新していきます!ありがとうございます〜〜〜!!! (2023年4月7日 12時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - もうどタイプすぎて時間を忘れて一気見してましたwww. 新しい更新まってまーーーす!!!!!!! (2023年4月7日 12時) (レス) @page33 id: 49aaf38551 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - さえさん» 本当ですか…!!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!!動悸がすごいです!!ありがとうございます〜!!!☺︎☺︎☺︎ (2023年4月3日 0時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪菜 | 作成日時:2023年3月7日 21時