▼とんだスパイ気分だ ページ35
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『んじゃあ行ってくる〜』
間延びした口調でAが部屋から出て行ったのを見届けて、俺たちは一斉に顔を見合わせた。ここで説明しておくが、俺が山下をAのお供にさせたのは意図的である。さらに言えば今日このメンツでカラオケに来たのも、ただ単に “テストお疲れ会” をするためではない。
山下という男がAを好きなのは同じクラスならほとんどが、他クラスも一部ではもう広がっている話だ。本人は気づいているのかいないのかわからないが。
そんな山下がなかなか行動を起こさないので、周りの人間が色々模索してこうしてカラオケに一緒にいる事を実現させている。
しかしここで否定しておきたいのは、俺は山下とは決して仲がいいわけではない事だ。去年から面識があったなんて真っ赤な嘘。俺は山下と、厳密に言えばAの動向を探るべくここにいる。…まあ詳細は後ほど。
Aの事が好きなのに想いを伝えられず焦ったくしている山下に、協力すると言ってこのカラオケに途中参加するのはいとも容易い事だった。
俺、御影と面識もないのに…と最初こそは怪訝な顔をされたが、「友人が叶いそうにない片想いをしているのが見てて心が痛む」とか何とか言いくるめて上手く収まった。
つまり俺は二重に嘘をついている。とんだスパイ気分だ。
「二人とも行ったな」
「…私は正直、山下に勝算があるとは思えないんだよねえ。Aって凪にデレデレだもん」
「いやわかんないよ？最近A凪にあんまり話しかけなくなったし、もう冷めちゃったかも。…まあ本人は何とも言ってなかったけど」
「あ、それ俺も気づいてた。いくらテスト期間とはいえあんなに距離が遠くなるとか…なんか喧嘩でもしたんじゃない？」
「喧嘩ねえ…想像つかねえな」
俺がそう言うとみんなは確かにと同調する。考えてみろ、無気力な面倒くさがり男vsその全肯定botだぞ。喧嘩という喧嘩には発展しないだろ。…まあ、凪が無意識に煽った可能性は捨てきれないけど。
「どちらにせよ山下が行動しない事には変わんねえからな。今日は絶対アイツに花を持たせようぜ」
「それはそうね」
「とりあえず帰り道いい感じに二人にさせる？」
「いいかも。…あとどうする？」
山下……頼むから絶対に下手だけはこくなよ。
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雪菜(プロフ) - Kyoro丸。さん» ！！！！めちゃくちゃ嬉しいです〜！！続編行きそうなのでこれからも頑張ります！！ありがとうございます☺︎☺︎☺︎ (2023年4月7日 16時) (
レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
Kyoro丸。(プロフ) - いや、これは殿堂入りしなければならない作品でしょ！めっちゃタイプです！これからも頑張ってください〜！ (2023年4月7日 14時) (レス) @page10 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - みっちゃんさん» うわあああ嬉しいです！！春休みなのでちょくちょく更新していきます！ありがとうございます〜〜〜！！！ (2023年4月7日 12時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - もうどタイプすぎて時間を忘れて一気見してましたwww. 新しい更新まってまーーーす！！！！！！！ (2023年4月7日 12時) (レス) @page33 id: 49aaf38551 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - さえさん» 本当ですか…！！！！めちゃくちゃ嬉しいです！！！動悸がすごいです！！ありがとうございます〜！！！☺︎☺︎☺︎ (2023年4月3日 0時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪菜 | 作成日時：2023年3月7日 21時
