私に興味がない凪くん。【凪誠士郎】

▼御曹司はコミュ力お化け ページ34

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「よっ、来ちゃった」


『…え、玲王？』





現地集合との事で指定されたカラオケに向かえば、男子メンツに目新しい人物がそこにはいた。その男子たちと玲王は同じクラスや部活でもないのにもう馴染んでいるあたりさすがだなあと思う。


…あ、そういえば玲王も身長高いんだった。周りと比べて頭半分ほど飛び抜けている。





『何でここに玲王が来てんの？』


「山下とは去年から面識あってさ。これからカラオケ行くって聞いたから途中参加させてもらったんだよ。なっ、山下」


「おう。桃原も御影と仲良いしいいだろ？」


『ん。全然ウェルカム』





去年玲王と同じクラスだったけど山下とこんなに仲良いとは初耳だ。コミュ力お化けの玲王の事だ、何かしらの接点があったのだろう。あそこまでフレンドリーなのだから、顔や生家以外でモテる理由もわかる。


そんなわけでメンツが揃い、カラオケ店内に入る。大人数なため広いパーティールームに案内された私たちはそれだけでテンションが上がり、各自買ってきたお菓子を並べる。これだけあれば足りない事はないはず。





「何歌う〜？」


「手始めに丸の内サディスティック」


『いいじゃん。合いの手入れるわ』





席に座った順でパッドを回しそれぞれ曲を入れていく事となった。せっかくだし色々な曲を歌いたいが、なるべくみんなで盛り上がれる曲を選ぼう。


部屋にはみんなU字型に並んで座っており、必然的に端っこに座っている私は席を外しやすいのでみんなに飲み物は何がいいかと聞く。私ってば気が使えるいい女！





『飲み物持ってくるけど何がいーい？』


「俺コカ・コーラ！」

「私はメロンソーダで」

「烏龍茶」「私も」

「カルピスソーダおなしゃす」


『おう。このか弱き乙女に全部持たせる気？』


「どこがか弱いんだよ」


『は───？？？』


「そうだ山下、お前手伝ってやれよ」





か弱き乙女発言をバッサリと否定した玲王が一押ししたのは山下だった。「…え、俺？」と驚いた反応をする。まあそりゃそうだ、完全に山下は巻き込まれてるだけだもん。





『いや言い出しっぺが来いよ』


「…んーん、俺が行く」


『…そ？ありがと』





先に言い出した玲王に押しつければいいものを、心優しい山下は私と飲み物を取りに行く事となった。切実にみんな見習ってほしい。






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