▼凪くんセラピー(仮) ページ4
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「取り返せるもんなら取り返してみろよ♡」『身長差で届かないよう♡』みたいなバカップルの会話が私と玲王との間にあるわけもなく。少し立ち話した後普通に私達はそれぞれ自分のクラスへと戻った。
その間、やけに周りから視線を感じたので、やはり玲王は注目の的なのだと思い知らされる。ミーハーな女子は特に彼の隣を今か今かと狙っているのだろう。そのうち私に飛び火がかかってこない事を祈る。
お茶を持って教室に戻り、友達にたでーまと言うと2人の友達はおけぇりと案外ノリよく返してくれた。その手元にあったはずのお弁当の中身はもうすっからかん。はて、私そんなに長い時間立ち話したっけ?
「アンタ遅いんだもん」
「女子高生の胃袋舐めんな」
『あ、単にアンタらが早食いなだけね』
「それより見なA。凪が珍しく昼休み起きてる」
『えっ!!マジじゃん!!』
瞬殺・振り返り選手権みたいなバカみたいなものがあったら優勝するレベルで瞬時にそちらに振り向くと、そこにはメロンパンを頬張りながらスマホゲームをしている凪くんの姿があった。
珍しい!!いつも突っ伏して寝てるのに…!!
その驚きと喜びで私は粗雑に弁当とお茶とスマホだけを持って凪くんの元へ駆け寄った。彼はこちらに目も向けなかったがおそらく足音で私が来た事くらいわかっていると思う。
『凪くん一緒にご飯食べよ!隣の席のヤツいないからお邪魔するね!いただきます!!』
「なんも言ってなーい」
『凪くんを見ながらのお弁当とかいつもの100倍美味しく感じるんだけど…!これぞアニマルセラピーならぬ凪くんセラピー?え、そもそもアニマルセラピーでご飯美味しく感じるっけ?』
「…」
『ありゃ、自分の世界に入ってらあ』
それでこそ凪くんだなあ、と思い今度は静かにご飯を食べ始める。凪くんセラピー(仮)で美味しいお弁当+人の金で買ったお茶は絶妙にバランスがよく、これほど笑顔でご飯を食べた事あったかってくらい頬が緩んだ。どうやら私の表情筋はポーカーフェイスできないようである。
チラリと見れば凪くんは変わらずスマホゲームをしている。やはり彼の視界に私はまだまだ入れていないのだろう。その事に胸を痛めるわけもなく、彼は初対面の時からこんなだったなあと約1ヶ月前を懐かしんでいた。
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友達はAが急に凪のところに行ってもあまり気にしません。慣れてるので。
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雪菜(プロフ) - Kyoro丸。さん» !!!!めちゃくちゃ嬉しいです〜!!続編行きそうなのでこれからも頑張ります!!ありがとうございます☺︎☺︎☺︎ (2023年4月7日 16時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
Kyoro丸。(プロフ) - いや、これは殿堂入りしなければならない作品でしょ!めっちゃタイプです!これからも頑張ってください〜! (2023年4月7日 14時) (レス) @page10 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - みっちゃんさん» うわあああ嬉しいです!!春休みなのでちょくちょく更新していきます!ありがとうございます〜〜〜!!! (2023年4月7日 12時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - もうどタイプすぎて時間を忘れて一気見してましたwww. 新しい更新まってまーーーす!!!!!!! (2023年4月7日 12時) (レス) @page33 id: 49aaf38551 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - さえさん» 本当ですか…!!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!!動悸がすごいです!!ありがとうございます〜!!!☺︎☺︎☺︎ (2023年4月3日 0時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪菜 | 作成日時:2023年3月7日 21時