私に興味がない凪くん。【凪誠士郎】

▼節穴凪くんに期待は禁物 ページ19

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「…どーよ」


『…神ですか？』


「ふふん、私のヘアアレンジスキルならこれくらい容易いってもんよ。…あ、ちょっと薫のもやってあげるからこっち来な」


「えー…どうせ走ったら崩れちゃうのに？」


「いーの！体育祭は写真撮るのが醍醐味なんだから」





ついに来た体育祭当日。前日は女子高生特有のうちわ作りに励み無事に完成させたのだが、問題は当日のヘアアレンジであった。苦手な私でも一応チビゴムとヘアピンを持参してきたが、普段していない事ができるわけもなく。項垂れていた私を救ってくれたのはなんと優愛だった。


頼み込めば「ヘアアレンジ？いーよ」と軽く承諾してくれ、10分後に完成したのはリボンを巻き込んだ編み込みと、それを纏めたポニーテール。その完成度に感嘆した。これなら走ってもそこまで崩れなさそうだ。しかもめちゃくちゃ可愛い。


今日は張り切ってメイクしてきたが、さらにこのヘアアレンジでいつもの5割増しで可愛く見えた。こんなの凪くんに見せるしかない…！！





『凪くん凪くん！』


「…なーに」


『ヘアアレンジしてもらったの！どう？』


「…何が違うの？」


『嘘だろおい』





テンション爆上がりで凪くんに見せに行ったがどうやら違いがわからないらしい。まあでも褒め言葉は期待していないので特にダメージもない。ついでにツーショットを(強制的に)撮らせてもらった。


にしたって普段髪下ろしてるのに結んだ事すらも認知されないとか本当に私に興味がないな、凪くん。私ならクラスメイトの変化くらいある程度気づくけどなあ。



__ 興味がないわけないよ！



先日のクラスメイトの言葉が頭によぎる。…ううん、あれはきっとあの子の勘違いだ。変に彼に期待していらない夢まで見たくはない。節穴凪くんに期待は禁物なのだ。





「A私とも写真撮ろ〜！」


『はいはーい』






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