私に興味がない凪くん。【凪誠士郎】

▼キラキラな青春 ページ17

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「もうちょいバトン受け取る時腕伸ばして！」

「オッケー、もう一回やろっか」

「もうちょい歩幅合わせてー！」

「腕もうちょい振るといいかも」





ザワザワ。体育の授業で各自体育祭に向けて練習をするようにと先生から指示を受けた私達は種目ごとに集まって練習をしていた。


…が、リレーやムカデ競争と違って借り物競走に練習というほどの練習はない。軽く走る練習をして早々疲れた私はあぐらをかいて他の人達の練習風景を呆然と見つめていた。


それは私だけでなく同じ種目の人達も同様で、先生に怒られない程度に雑談したり休憩をしている。私達に練習はあまり必要がないのだ、先生も多少は見逃してくれる事だろう。





「だーかーらー！バトン渡す時は声がけしろって言ってんじゃん！本番バトン渡し損ねて落としたりしたらどうすんの？」


「えー…わかったってば。声荒げないで」


「誰がそうさせてんのよ」





男女混じってそれぞれの種目の練習に取り組むクラスメイトの姿はまさに青春だ。本人にはそんな自覚はないだろうが、側から見たらキラキラして見える。


…うーん、私も一応キラキラjkのはずなんだけどな。





「Aちゃんまた凪くんの事見てるの？」


『バレたか。薫と一緒に練習してるけどやる気のやの字もなくて面白いよ』


「私には苛立ってる薫ちゃんが見えるけど…」





バトンの受け渡しについて細々と説明する薫と、それに少しうんざりとしている凪くん。あまりの意欲のなさに段々薫が苛立っているのが遠くからでも見て取れる。


余談だが薫は陸上ガチ勢だ。今はバスケ部だが中学校の時はバリバリ陸上部のエースだったらしく、こういう運動する行事では血が滾ると言っていた。


そんな二人を見て少し微笑ましく思う。勿論一緒に練習しているのは羨ましいけど、相手は薫だし、お互い相性悪そうなのでそこまで不安ではない。逆に知らない他の女が練習相手じゃなくてよかったとむしろ安心する。






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