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「じゃあねみんな。元気でね」
笑顔で笑うノーマン。
何で笑えるの。
黒い背広を着て。
今ならわかる、これはお葬式の格好だ。
エマはさっきからずっと俯いている。
「A、レイは？」
『レイは……医務室だよ。見送りたくないって』
本心じゃない。
レイは悔しくてノーマンに顔を合わせられないんだ。
助ける術がない。
何もできないから。
その時、エマが動いた。
「ノーマン！！」
松葉づえを放り出して、ノーマンに抱きつく。
………エマが何をしようとしてるのか。
きっとノーマンもわかったんだ。
『エマ、ノーマン！』
エマが骨折した方の足をつこうとする。
それを防ごうとするノーマン。
二人はもつれて後ろに倒れこんだ。
「馬鹿！無鉄砲にもほどがあるぞ！今君がすべきことはこれじゃない！」
「うるさい、嫌だ！！行かせない！」
「どうして解ってくれないんだよ………僕はそんなことこれっぽっちも望んでないのに。ただ笑って見送ってほしい。僕の決心を汲んで」
「イヤ。死に行く決意だけは尊重できない！"本当は嫌"なら尚更！」
駄目だ。
ノーマンは、ノーマンは。
生きたがっているのに。
私と違って生きようと必死なのに。
私がノーマンの代わりになれたら………！
「ノーマン、時間よ」
ママの冷たい言葉にはっとする。
エマが、危ない。
咄嗟にエマとママの間に入り込んだ。
エマを庇うようにして。
「次騒ぎ立てたら殺すわよ」
『…………できるのなら、やってみろ』
ママが面を食らったように怯む。
ノーマンが嬉しそうに笑った。
そして一言。
「エマを頼むよ」
しっかりと手を握られる。
震えているその手を握り返す。
『絶対に諦めないから』
「…………頼んだよ」
ノーマンは最後にもう一度笑った。
私もなんとか微笑みを返す。
ママと一緒に小さくなっていく背を見つめた。
ノーマンの死は無駄にしない。
そう心に深く刻み込んだ。
……………けど、涙はでなかった。
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レンスイ(プロフ) - 随分前に感想依頼頂いた者です！ とても面白い作品が拝見でき嬉しかったです！ 感想は私の作品で書いてあるので、目を通していただけたら嬉しいです。ありがとうございました！ (2019年5月25日 17時) (
レス) id: 85db579f44 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 33話の『エマはニッコリした』を『エマは怪しい笑みを浮かべた』にしたらどうでしょうか？ (2019年3月30日 17時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 主人公と誕生日被ってました！この小説ミスが無いし文は読みやすいしで最高ですね！ (2019年3月21日 1時) (レス) id: 1a221874dd (このIDを非表示/違反報告)
まこと - コニーが出荷される日に初めてカロが眠れなかったり、出荷された翌日に食欲がないのと3日も寝込むのはママ視点からしたら怪しすぎる (2019年3月13日 19時) (レス) id: f89bfe1a17 (このIDを非表示/違反報告)
?aksn?(プロフ) - 夢主の誕生日と私の誕生日が一緒で驚きました笑これからも頑張ってください！ (2019年3月10日 13時) (レス) id: e6b7d8f455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 x他1人 | 作成日時：2019年1月4日 18時
