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呼ばれたのはママの書斎。
私とママ、二人きり。
緊張しながらノックする。
『……………失礼します』
「あら、御行儀いいのね。さっきは私の首を締めようとしたのに」
『これとそれは別ですから』
ママは静かな笑みを浮かべていた。
その冷たさに背筋が凍る。
『何か用ですか』
「最近A元気なかったじゃない。なのにどうしたの？今は人が変わったみたい」
『………だから？』
確かに何も考えられなかった。
けど今はそれどころじゃない。
ノーマンを助けないと。
………誰かのために死ぬ覚悟ができていると思えば、辛いことじゃない。
「あなたはきっといいママになれると思うの。A、あなたが望めばこの農園の飼育監候補に推薦しようと思うの」
『……………候補？』
「そうよ。大人になって、子供を産んで。能力が認められればママやシスターとしてまたこのハウスに戻ってこられるの」
その言葉に、何かが引っ掛かった。
子供を産む………産んだその子は？
能力が認められれば…………認められなければ？
ママは今までどんな残酷な試験を受けてきたのだろう。
予想はつく。
ママになれなければ、死…………。
子供はきっと、食用としてハウスに入れられる。
『ママは言ったよね。"我が子のように愛している"と』
「ええ。本当よ」
『ならママも苦しいの？私たちみたいに苦しいの？ママも元はここにいたんでしょ。同じ食用児だった。けど生きるためにママになった。
…………違う？』
初めて大きくママの表情が崩れた。
何かを言いたげな、悲しい表情。
『ごめんね、ママ。私は悪い子だ。ママを悲しませて傷つけてる。けど私達だって生きてるんだ。みすみす死ねない』
「……………」
『だから"ママ"にはならない』
これまでママの気持ちなんて、考えてこなかった。
我が子のように愛している子が食べられる。
愛情をかけて育てた子が食べられる。
自分の子も…………。
『苦しいのはみんな一緒なんだね』
そう、心から思った。
みんな生きるために必死なのに私は…………。
私は何を望んでいるんだろう。
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レンスイ(プロフ) - 随分前に感想依頼頂いた者です！ とても面白い作品が拝見でき嬉しかったです！ 感想は私の作品で書いてあるので、目を通していただけたら嬉しいです。ありがとうございました！ (2019年5月25日 17時) (
レス) id: 85db579f44 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 33話の『エマはニッコリした』を『エマは怪しい笑みを浮かべた』にしたらどうでしょうか？ (2019年3月30日 17時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 主人公と誕生日被ってました！この小説ミスが無いし文は読みやすいしで最高ですね！ (2019年3月21日 1時) (レス) id: 1a221874dd (このIDを非表示/違反報告)
まこと - コニーが出荷される日に初めてカロが眠れなかったり、出荷された翌日に食欲がないのと3日も寝込むのはママ視点からしたら怪しすぎる (2019年3月13日 19時) (レス) id: f89bfe1a17 (このIDを非表示/違反報告)
?aksn?(プロフ) - 夢主の誕生日と私の誕生日が一緒で驚きました笑これからも頑張ってください！ (2019年3月10日 13時) (レス) id: e6b7d8f455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 x他1人 | 作成日時：2019年1月4日 18時
