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私はノーマンとレイの話を全部聞いていた。


聞くためにここに隠れていた。




「レイはいつからママのスパイだったの?」


「ずっと前から。要は羊飼いにおける牧羊犬さ」




レイの黒い笑みが見えた。


なのに手が震えてるのも見えた。








『……………もういいよ、レイ』









「「っ!?」」





私は静かに隠れていたクローゼットから出た。


二人が驚きの余り、声を失う。





『レイが悪役を演じるのはここまででいい。ノーマンだって気づいてるくせに、わざとレイを悪役に追い込まなくてもいい』




「…………?」


「Aいつから………まさか、最初から?」


『そうだよ、ノーマン。全部知ってた。レイが内通者なのも、ノーマンが罠を仕掛けた相手が四人だったのも。だから言う。

ふざけた茶番はやめよう』


「茶番……………」





『簡単にまとめるとこう。ノーマンは内通者であるレイがママも抑えていてくれたことを確認した上で、協力してほしい。

レイは自分が仕掛けたこの逃走劇を最後まで完成させたい。この6年掛けた計画を潰されたくないんでしょ』


「何でそれを………!」





レイはずっと動いてきた。


ママに取引を持ちかけて、自分を内通者に売り込んで。


全部知ってる。






『私は五歳のときから動いてた。ママを観察してきた。レイとママの様子が変わったことくらいすぐに気づいたよ。

全部知ってる上で、私の結論を出す。お互いに腹の探り合いをするのはやめよう。あくまでも私達は"仲間"なんでしょ。隠す必要はない』






不思議だ。


何で黙ってるんだろう。


レイはなんとしても逃げ切りたい。


だから子供たちを切り捨てたい。


ノーマンは無理とわかっていながらも、全員で逃げだしたい。


二人の意見が一致しない。






『それってそんなに難しいこと?両方叶えればいいじゃん。レイの望みも、ノーマンの望みも』





「難しいことだよ。Aは何もわかってないじゃないか。一歩間違えれば全員死ぬんだ。そんな呑気に考えている場合じゃない。

そもそも君だって腹の底を探りあっているじゃないか。Aの本心は何?Aは一度だって僕たちに心を開いてないじゃないか。

Aは僕らを信用してない。なら、僕も君を信用できない」





ノーマンの冷たい言葉が胸に刺さった。

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レンスイ(プロフ) - 随分前に感想依頼頂いた者です! とても面白い作品が拝見でき嬉しかったです! 感想は私の作品で書いてあるので、目を通していただけたら嬉しいです。ありがとうございました! (2019年5月25日 17時) (レス) id: 85db579f44 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 33話の『エマはニッコリした』を『エマは怪しい笑みを浮かべた』にしたらどうでしょうか? (2019年3月30日 17時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
- 主人公と誕生日被ってました!この小説ミスが無いし文は読みやすいしで最高ですね! (2019年3月21日 1時) (レス) id: 1a221874dd (このIDを非表示/違反報告)
まこと - コニーが出荷される日に初めてカロが眠れなかったり、出荷された翌日に食欲がないのと3日も寝込むのはママ視点からしたら怪しすぎる (2019年3月13日 19時) (レス) id: f89bfe1a17 (このIDを非表示/違反報告)
?aksn?(プロフ) - 夢主の誕生日と私の誕生日が一緒で驚きました笑これからも頑張ってください! (2019年3月10日 13時) (レス) id: e6b7d8f455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 x他1人 | 作成日時:2019年1月4日 18時

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