きまぐれポイズンベリー 【R.Y】

毒苺06 ページ6

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涼介「ねぇねぇAちゃん？」


A「ん？なぁに？」





壁に体をもたれさせる君。

少しの蒸し暑さを含む風が、二人の間を通り過ぎた。





涼介「Aちゃんはなんで俺にだけあーいうことすんのかな？」





プレイボーイなんて呼ばれる俺だけど、
一応レディーファーストっていう概念は持ってるからさ。

力任せに怒ったりなんてしない。


君はずっと笑顔で見つめてくるから、俺もなぞの対抗心を燃やして
精一杯の猫なで声を出しながら笑顔を作った。



そして、君は本当に矢のごとく衝撃の言葉を放ったんだ。





A「なんで、って...気に入ったから、かな？」


涼介「......へ？」





"気に入った"..."気に入った"....

その一言が何度も俺の脳内をループする。



気に入っただけでキスしたりこきつかったりすんのかこの子。



そして、状況が把握できていないままさらに俺の脳は刺激を受けることとなる。





A「えへへー、これ流出したらどうなるんだろ」


涼介「っ！いつのまに！？」





どうやって撮ったかはわからないけど、小さな画面に収められた男女。
激しく唇を重ねる俺と君。
君の胸にしっかりと充てられた俺の手。





涼介「...Aちゃんは、何がしたいの？」


A「Aちゃんって呼ばないでくれるかな？」


涼介「...じゃあ、A？飯尾さん？」


A「んーっとねぇ、Aサマ！」





こんな小娘...まぁ俺と同い年だけど...
こんな小娘に"サマ"付けしろだと？こきつかわれろと？

俺の堪忍袋の緒は





涼介「ふざけんじゃ「Aサマ、は？」





...突きつけられたその写真のせいで
切らせてもらうことができなかった。





涼介「...A、サマ」


A「ん、よろしい♡」





満足したのか、君は俺に2度目のキスをして
鼻歌交じりで去って行った。


また、あの苺の甘ったるい香りだけを残して。

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