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毒苺04 ページ4






涼介「ねぇ、Aちゃんっ!」





放課後。
楽器の音が校内中に響いて、グラウンドでは運動部の掛け声が上がる。


俺は、人気のない中庭のベンチに座っている君を、ふと見つけた。


一度名前を呼んでも君は背中を向けたまま。
近づくと、イヤホンをつけているのがわかって納得する。





涼介「Aちゃん」





肩に手を置いて、その整った顔を覗き込む。


彼女は俺を凝視してから、イヤホンをゆっくり外した。

近くで見ると顔のパーツ一つがはっきりとわかって、
やっぱり美少女としか言いようがないな。


そんなことをぼんやり考えていた。





涼介「...え?」





...君の唇が、俺の唇と重ねられるその前までは。

あまりに一瞬の出来事だったから、文字通り頭が追い付かなくて。
何をするでもなく、君の柔らかい舌を受け入れていた。

能動的に、慣れたように。
それは俺の口内を動きまわる。




涼介「痛ってぇ...」





すると、彼女の舌が俺の舌に絡んだ刹那、ガリっ聞き覚えのない音がして
口の中に"血"特有の鉄のような味が広がった。


その原因を突き止めきれぬまま、だらしなく垂れさがっていた俺の手は
君の柔らかい胸へといつのまにか移動させられている。

まるで、花がミツバチを誘うようなその動き。





A「あたしと、したいんでしょ?プレイボーイくん」





息がかかるくらいに顔を近づけられて、
目の前をかすめたのはまたあの甘ったるい苺の香りだった。


そして、小悪魔みたいに俺に舌を出した君。





涼介「...え、舌ピアス?」





白くて並びの綺麗な歯からのぞく、桃色の舌についていたのは、
俺の舌を切ったであろう、小さな苺のピアスだった。

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もちてぃな(プロフ) - 赤花さん» 赤花ちゃん読んでくれてありがとう!!赤花ちゃん好みの山田涼介になりますようにー!Twitter、絡もうね♪ (2017年6月18日 21時) (レス) id: 9f843be52f (このIDを非表示/違反報告)
もちてぃな(プロフ) - 想空さん» ありがとう(n*´ω`*n) (2017年6月18日 21時) (レス) id: 9f843be52f (このIDを非表示/違反報告)
赤花(プロフ) - 赤花参上。登場するの遅れてごめんね。もー、きゃー!山ちゃんの感じ最高(〃ω〃)更新頑張ってね。Twitterでも話そうね(^^) (2017年6月18日 20時) (レス) id: 6007a7581d (このIDを非表示/違反報告)
想空 - 照れるとか可愛い(*´ω`*) 体に気をつけて! 更新待ってるね〜! (2017年6月4日 13時) (レス) id: 3194c34b22 (このIDを非表示/違反報告)
もちてぃな(プロフ) - 想空さん» そら久しぶりー!!(*´▽`*) 読んでくれてありがとう!!公開告白照れます(/ω\)笑 (2017年6月2日 22時) (レス) id: 9f843be52f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちてぃな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/homepupo/  
作成日時:2017年5月28日 19時

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