優しい ページ6
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「…な…んですか，これ？」
「手技書。明日のオペの手順、完璧にしてきて」
たった今探し求めていたものを，先生がくれたって事実に感激してしまう。
「ありがとうございます！
ちょうど今，有岡先生にご相談しようと思ってたとこでした」
「有岡はもう帰したよ？明日も休ませた」
「先輩，体調でも悪いんですか？」
「んーん，もうすぐ子供が生まれんのよ」
「えー！！そうなんですか？！」
先輩が去年結婚したことは知ってたけど…全然知らなかった
呆然とする私に「だってアイツ，今日１日中そわそわしてたでしょーよ」と苦笑いの二宮先生
「たぶん早く帰った方が奥さん喜ぶんだろうなーって。まあ、俺は独身だからわかんないけど？…きっとね？」
照れ隠しなのか自嘲気味に笑うと先生はまたソファにゴロンと横になった。
そっか....先輩，そわそわしてたかな。
全然気づかなかった…と落ち込む気持ち半分
そういうとこだよ...そういう先生の，実はすごく優しいとこが好きなんだよぅと悶える気持ちと…半分。
「ありがとうございました」
もう一度頭を下げて，研修医の控え室に戻ろうかなぁと一瞬迷ったけれど
空いている机に座り，もらった手技書のコピーを読み始めた。
途中，難しい場所があって質問しようと先生が寝てるソファに近づいたら
先生はもう，すうすうと寝息を立てていた。
左腕で両眼を隠し，口をわずかに開いて規則正しく動く胸を
音を立てないようにしばらく見つめていた。
当直明けなんだから早く帰ればいいのにと思うけど
休まないと帰る気になれないほど疲れてるのかもな…
とも思った。
少し悩んで医局の向かいにある当直室から予備の毛布を持ってきて二宮先生の体にそっと掛ける。
先生は身じろぎもせずに眠っていた。
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にゃのこ(プロフ) - keiさん» keiさん、コメントありがとうございます^_^ 好きって言っていただいて嬉しいです！他作品も古いお話が多くてお恥ずかしいのですが楽しんでいただけたら幸せです！ (2020年7月25日 19時) (
レス) id: 64fd571976 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - にゃのこさん、はじめまして。この二宮先生がとても好きです。情景が浮かぶ文章が好きです。他のお話も今から読んできます！これからも楽しみにしています。 (2020年7月24日 17時) (レス) id: b8ead91f6d (このIDを非表示/違反報告)
にゃのこ(プロフ) - 芙咲子さん» 芙咲ちゃーーん。お久しぶりなのに遊びにきてくれてありがとうー(≧∀≦) 私も今が一番しんどいー先生に優しくされたい〜笑 (2020年7月24日 17時) (レス) id: 1ae30313a8 (このIDを非表示/違反報告)
芙咲子(プロフ) - にゃのこちゃーん！切ない。二宮先生に素っ気なくされるのしんどいです。でも、ドキドキしながら楽しみに更新待ってます。 (2020年7月23日 23時) (レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
にゃのこ(プロフ) - ゆたかさん» ありがとうございますー(T T) 昔コメントいただいた時もすごく励みになったなーと懐かしく思い出しました！引き続きよろしくお願いしますー！ (2020年7月21日 15時) (レス) id: 4ce0b84102 (このIDを非表示/違反報告)
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