もう1人の最強2

75日目 ページ36

「A！そっちに一体行った！！」

『了解、こっちは任せて！』

楓の元から逃げ出した呪霊を祓う。

俺の心配とは裏腹に任務はあっさりと終わりを迎えようとしていた。

『今のが最後の一体だったみたいだけど…』

「これで終わり…とは思えないわね」

考えすぎだったのかな…それならいいんだけど、なにかがあってからでは遅い。

『もう少しこの辺を探索してから切り上げようか。』

「そうね。二手に別れる？それとも一緒に探索する？」

『一緒に探索しよう。何が起こるかわからないこの場所で楓を1人になんて出来ないよ。』

「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない？そうと決まればさっさと行ってさっさと帰りましょう。」

ーーーーー

「ねぇA？私な気のせいじゃなければなんだけど…いままで歩いてきた道なくなってない？」

『なくなってるね。』

探索を始めて早くも数十分が経過していた。

どんなに歩けど進めど景色が変わらないことに気づき、来た道を戻ろうとした瞬間これだ。

「気づかないうちに簡易領域に引き込まれていたのかしら…」

『でも呪霊の気配とかあの嫌な雰囲気しないよね…？』

もし呪霊の簡易領域に引き込まれたのなら引き込んだ呪霊の気配やその場にいるだけで気分が悪くなるような雰囲気になるはず。

でも、そんなものは一切しないし、むしろ神聖な雰囲気さえ感じる。

どうやら俺たちは呪霊より厄介なものに目をつけられてしまったみたいだ。

76日目→←74日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す