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44日目 ページ44

「あれ、もう来てんじゃん」

ガラッと扉が開く音が響くと共に現れたのは俺たちと同じような制服に身を包んだ女性…。

おそらく、彼女が”家入硝子”さんだろう。

家入さんは自分の席に着くなり慣れた手つきでポケットから箱を取りだし、筒状の物に火をつける。

まるで煙草のような…煙草?

『え…?』

「おや…」

これには流石の傑も驚いているようで、2人揃って家入さんを見つめたまま固まってしまった。

未成年、だよね…?

俺たち2人の視線に気づいたのか、家入さんは「あっもしかして煙草ダメな人だった?ごめんごめん。」なんて声をかけてくる。

そうだけど、そうじゃないような…。

なんて思いながらも返事をする。

『いや、俺は大丈夫だよ。』
『でも、窓は開けた方がいいかもね。臭いが強いから換気しないと先生にバレちゃう。』

「…Aの言う通りだ、少し窓を開けておこうか。」

俺と傑がそういうと少し驚いたように目を見開く。

「意外、あんたら煙草なんてやめろって言ってこないんだ…」

同級生として、止めるのが正しい選択かもしれない。

でも…

『別にいいんじゃない?自分の身体なんだし、体調を崩さないように…ならね。』

「驚きはしたが、私もそう思うよ。君のやりたいようにやればいいさ。」

「ふーん…あんたら、変わってるね」

なんとなくだけど、この時俺は正しい選択をした気がした。

本当になんとなく、だけどね。

家入さんとも打ち解け、3人での会話が盛り上がって来た頃、いかにもヤの付く職業をしていそうな人が教室に入ってきた。

「みんな、揃っているな?」

その人を見て、思わずみんな黙り込む。

そんな俺たちを無視して、その人は自己紹介を始めた。

「今日からお前ら1年の担任を務める夜蛾正道だ。」
「まだ1年だからといって手は抜かないので、そのつもりでいるように。」

先生、だったんだ…しかも担任の…。

『えっと…はじめまして、夜蛾先生。俺は七瀬Aと言います。』
『実は、まだ来ていない生徒がいて…』

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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時

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