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15日目 ページ15

「A…疲れたから癒せ」

『はいはい。悟は偉いね〜。』
『よくできました。』

俺がそう言うと嬉しそうな笑顔で抱きついてくる。

あの日以降、悟は気を許してくれているのか、いろんな姿を見せてくれるようになったし、名前で呼んでくれるようになった。

少し前まで呼びかける時は”お前”とか”おい”とかだったのに…。

名前を呼んでもらえてるってことは、気を許してくれている証拠…だと思いたい。

「…A、俺以外のこと考えてるだろ。」

ずっと黙っていた俺を不思議に思ったのか悟が声をかけてきた。

『んー?そんなことないよ?』
『悟の事を考えてたんだよ。』

「どんな…?」

『いろんな姿を見せてくれるようになったな〜とか、名前で呼んでくれるようになったな〜とか。』

「Aが言ったんだろ。お前の前では完璧じゃなくていいって。」

『うん、完璧じゃなくていいんだよ。』
『ただでさえずっと気を張って疲れてるのに、俺の前でまで気を張ったら悟が壊れちゃうよ。』

悟はゴジョウ家の次期当主とそれ相応の礼儀や作法を身につけるのを強制されており、まだ幼いと言うのに、既にそこら辺の大人よりしっかりしていた。

だからこそ、悟には甘えてほしいのだ。

普段頑張ってるんだし、少しくらい頑張らなくてもいいんだよって、弱っている時は優しく声をかけ、傍に居てあげられる、悟の支えになるような人物が必要だった。

『”悟は悟のままでいいんだよ”』

これは、俺が悟に出会った当初から言っている言葉だ。

悟と出会ってから、早くも2年という月日が経ちそうだった。

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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時

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