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温もりはそのままに / 瓶兄弟 ページ22

似たような顔の二人に詰め寄られるのは、少し疲れる。

「どっちが好きか聞いてるんだよ」

「俺か、兄貴か」

『いや、別にどっちも好きじゃない』


本当ですって、答えてんじゃん。




最初の頃こそ立場が下だったから、オブラートに包んで断っていた。

でも最近、私もアオギリの幹部になった。
気を遣う必要も消えたというわけ。


『お2人さんもう帰れ。私出掛ける』

「……デートか?」


間の長さまでぴったり重なった2人の声。
驚くほどの仲の良さに、つい笑ってしまう。



『任務だよ。大丈夫、すぐ帰ってくるから』













『(……油断大敵というやつ、だね)』


しくった。
結構しくった。



楽な任務のはずだったのに。

というか、死神相手に私が敵うはずがない。


『(タタラさんに怒られるー)』


………殺される?やだな。
大体部下達が弱すぎるんだよ、と心の中で愚痴を漏らす。


そんな部下達が無残に駆逐されていった姿は、今もこの目に焼き付いている。


私は一人、アオギリのアジトへゆっくり歩くことにした。





「A!」


聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。

一人のじゃない。
よく聞く2人の声。



あの兄弟の重なった声は何故か、とても、安心してしまうのだ。


ふっと力が抜けて、私は膝から崩れ落ちた。



「お、おいっ!」

「怪我………!」

『だ、大じょぶ、だから、』



「大丈夫じゃないだろ!!」



突然の大声にビクッとなる。
2人は危機迫る顔で、今更ながら自分の体の状態を知る。


私の脇腹は見事に削れ、再生が追いついていなかった。




「お、お前に死なれたら困るんだって……俺も、兄貴も!」

「っおい、A!」


駆け寄ってきた2人。
私の体を抱くように起こし、傷を押さえてくれる。



右手は兄の方
左手は弟の方に

しっかり握られた両手が温かかった。




きっと血の流しすぎ。
眠気が私を襲った。


目を閉じる直前、もう一度、視界が二人の兄弟をとらえる。






『別に』


力が入らないなりに精一杯笑って







『どっちも嫌いじゃないからね』




両手の温かさを離さないまま、意識を手放していった。





――――――

夢主さんがどうなったかはご想像にお任せします。
リドルストーリー的な。(エセですが)

こちらは、やだもう恋愛って書くの難しいネ!と言いつつ書きました。
上手く書けるようにこれから頑張ります……。

月下香 / 旧多 二福(あ様リクエスト) →←change / 佐々木琲世※



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風冬(プロフ) - しんかいのくらげさん» リクエストの方書かせていただきました、こんなに遅くなって申し訳ありません。ありがとうございました!^ ^ (2018年8月10日 12時) (レス) id: a233740d3b (このIDを非表示/違反報告)
- 書けたらで、いいのでお願いします。 (2017年3月22日 4時) (レス) id: eebb3790b5 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストよろしいでしょうか?ホオグロで、pink お願いします。 (2017年3月22日 4時) (レス) id: eebb3790b5 (このIDを非表示/違反報告)
蘭世(プロフ) - 宇井さんお願いします!突然リクエストすいません... (2017年2月12日 11時) (レス) id: a6afbd1290 (このIDを非表示/違反報告)
鈴羽 葉月@低浮上(プロフ) - 風冬さん» 書いて頂きありがとうございます!!! これからも応援させて頂きます!! ありがとうございました!! (2017年2月5日 22時) (レス) id: cb82f46597 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風冬 | 作成日時:2016年1月14日 22時

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