もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ46)

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組み合わせが発表される。私の初戦の対戦相手は、…三奈ちゃんだ。

「Aちゃん、負けないよ！」
「三奈ちゃん！私も本気で行くよ。よろしくねっ」

…三奈ちゃんの個性は、私が知る限り"酸"だ。ある程度遠線も行けるだろうから、注意が必要だな。

「勿論！本気で戦おうね！」

私も勝つための策を考えなきゃいけない。三奈ちゃんと手を振り合って別れた後、レクリエーションには出ずに人のいない裏庭へと向かった。

木の幹に凭れて腰掛ける。…考えることが、たくさんあった。１つ目は焦凍のこと。私は焦凍のことを、何もわかっていない。過去どれほど辛かったのか、私に求めていたのか。そして今、何を想って行動しているのか。

思い出すだけで胸がぎゅっと締め付けられる。

…痛い。こんなに近くにいたのにわからないのか、という現実が胸を締め付ける。

炎司さんが憎いのは分かる。だけど…それだけじゃない、そんな気がしている。体育祭が終わったらゆっくり話そう。そのときに、私の今の想い(・・)も伝えよう。

２つ目、炎司おじさんに言われたことは…今は考えないでおこう。今度冬美ちゃんに会ったらさりげなく探りを入れてみればいい。

３つ目、人使くんのこと。優しすぎる彼のことだから、尾白くんと庄田くんの辞退を自分だけで背負おうとしている。また自分は敵(ヴィラン)向きだ、なんて野蛮なことを考えてはいないだろうか。

強張ったままの彼の表情が脳裏に浮かぶ。私に、何ができるだろうか。彼はいつだって私を明るいところへ導いてくれる存在なのに。

…様々なことが頭の中を駆け抜けていくけれど、一番考えなければならないのは、三奈ちゃんに勝つ方法だ。

三奈ちゃんは私の個性を知っている。だからこそ私が仕掛けるよりも前に、酸を飛ばして牽制してくるだろう。

それなら、きっと1番勝算のある戦法は……＿＿＿＿。

「おい、空気女。」

「…へ。バクゴウくん？」

作戦も大方固まり、戻ろうとしたその時だった。先ほど情けないところを見せてしまったから、あまり顔を合わせたくはなかったのだけど。

…てか、なんで空気女。私の個性、空気関係ないんだけど。それとも空気くらい影薄いって話？だとすれば、まぁ否定はできない。

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