もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ42)

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４０. ページ42

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轟Side.

緑谷と話終わった後、俺はAを探していた。緑谷との会話は、申し訳ないが完全に八つ当たりだ。

親父を見返したいというのもあるが、少なからず俺は緑谷にもAにもイラついていた。それはもしかしたら焦り、とも言えるのかもしれない。

あいつはいつも俺の傍にいて、俺の隣でヒーローを目指すものだと思っていた。だけど、このままではいつか俺を追い越していく確信してしまった。…もしかしたら、もう越されてしまっているのかもしれない。

騎馬戦のチーム分けであいつに断られた時、例え難い嫌悪感に包まれた。俺を断ったAは別の男の名前を呼んで駆け寄っていく。

そいつは一体誰なんだよ、俺より強ぇのかよ。ぐるぐると、灰色が胸を支配した。

弁当は持っていないはずだから、この食堂にいるだろうと思い周囲を見渡すも、それらしい栗毛色は見つからない。

代わりに見つけたのは…

「オイ、半分野郎。」

一ミリも可愛らしくない白髪野郎だ。

「なんだ爆豪。俺は今忙しいんだ。」
「テメェの探しモン、ここには居ねぇぞ。」

「…は？」

Aを…知っているのか？

「どういうことだテメェ！ちゃんと答えろ！」

胸ぐらを掴みながら捲し立てる。いい加減にしろ、どいつもこいつも。

やり場のない想いに無性に腹が立つ。あいつのことは俺が1番わかっているはずだ。なんでお前なんかにそんなこと…。

「テメェのモンはテメェで守れっつってんだ。…泣かせてんじゃねぇ。」

…泣い、てた？Aが？何故？

何かあったのだろうか。あいつが今、泣く理由が何も思い浮かばない。最近は個性の悩みも解消されたと教えてくれたし、体育祭も泣くほど悪い成績ではない。十分にヒーロー科編入を検討してもらえる成績を残していると思う。

一体、何が。

ふと、思う。

俺はあいつの、何を知ってる？

一番近くに居たはずなのに、俺は"今"のあいつのことを、何も知らないかもしれない。

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