もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ5)

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３. ページ5

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そのまま流れる様にガイダンスへと進み、初日が終了したのは昼過ぎだった。

仕舞いっぱなしだったスマホを確認すると、
『早く終わったから先に帰ってる。すまねぇ。』
と、焦凍からの連絡が入っていた。

丁度良かった、この精神状態でヒーロー科の初日話を聞くのは耐えられない。

どうやらJKデビュー記念にカラオケに行くという女子たちに断りを入れ、人もまばらになった教室を出る。
家に帰る気にもならずふらふらと高校の周りを彷徨っていると、懐かしさを感じる公園が目に入った。

「にゃあ。」

導かれる様にベンチに腰掛ければそこには先約がいたようで、真っ白な毛並みの猫が私に声をかけた。
“なんでそこに座るの”とも言いたげだな。
私は邪魔者ですか、猫ちゃんよ。

つん、とすましたままの彼女(女の子かわからないけど)は、
手を伸ばしても擦り寄ってくれることはなかった。

なんか…寂しいな、私は。
感傷に浸っていると、白猫ちゃんは慰めてくれることもなく、ぴょんっとベンチから飛び降りて駆けて行った。

「ハク、ご飯持ってきた…え。」

白猫ちゃんの行く末を追っていると、聞き覚えのある通る声。同じ制服の男の子が。

…あれ。この人は。

「驚いたよ、言実さん。家、この辺？」

白猫ちゃんにご飯をあげながら問うのは、心操人使くん。同じ1年C組のクラスメイトだ。
この白猫ちゃんはどうやらハクというらしい。

「いやー、この辺じゃないんだけど。ちょっと帰りたくない気分？ってやつで。」

思わず乾いた笑みが溢れた。
みっともないなあ、優秀な幼馴染に嫉妬して、ただ私が出来損ないなだけなのに。

「もしかして、言実さんも実はヒーロー志望だったりする？」

思いもよらなかった単語に目を見開けば、
俺もなんだ、と心操くんは苦しげな表情を浮かべた。

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