もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ33)

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ギリギリ焦凍の頭が見える位置まで上り詰めたところで、一度言霊を解除する。解除する時は「元に戻ればいいなあ」と声にすると解除することができる。

と、体育祭の訓練をする中で会得した。

そして、そこに現れたのは私の宿敵。

「サァ、いきなり障害物だあ！まずは手始め、第一関門！

…ロボ・インフェルノ！」

入試の時の0Pロボットだ。今度こそ、絶対に仕留める！考えろ。…どうする。

考えを巡らせているうちに、焦凍があのでかいのを丸々一体凍らせて駆け抜けていった。

「足元の隙間を通れるぞ！」

「…いや、危ないからやめておいた方がいいんじゃないかな。」

隣にいた知らない男の子に忠告を入れると、不安定に凍らされたロボはいとも簡単に崩れていった。

「1-A轟ィ！攻略と妨害を同時に！」

…そうだ。進むだけじゃなくて妨害も。焦凍は本当にすごい。私も負けてられないな。

このゾーンは、ありがたいことに木がたくさん生えている。

「木の枝を伸ばして、ロボに絡みつけ！」

進行方向とは逆の木が面した方を向き、個性を発動する。

複数本の木は、私の思惑通り先端の枝を伸ばしてロボに絡みついた。ぐぐぐ…と音を立てて巨大ロボは静止する。

「おっと、後続だぁ！ロボが、木に覆われている！？これはァ！

……誰だ？」

マイク先生の実況に思わず吹き出してしまった。静止したロボットの間を縫って駆け抜けると、焦凍が振り返る。

一瞬合ったその目はぎらついていて、なんだか私の知っている焦凍ではないようだ。

…何か、あったのだろうか。思考回路がそちらに持って行かれそうになるのを慌てて引き戻し、遠くなる幼馴染の背中を追った。

「あ、そうだ！木たち、元に戻れ！」

そういうと後ろの方で縛られていたロボットが急に解放され、暴発する音が聞こえる。成功、しただろうか。

「普通科、言実ィ！こいつも攻略と妨害を同時にしやがったァー！

さすがは推薦入学者の幼馴染！隅に置いてはおけねぇぞ！」

…いやそれ、今言う必要ありましたかね、マイク先生。

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