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「毎年ここで多くのものが
今年は…
…障害物競走！これは、いけるかもしれない。全員参加ということは、悪いけど利用させてもらえる人が多いということだ。
それに会場がこのトラックってことは、足元は芝の可能性が高い。お金をかけている雄英の芝はきっと人工じゃなくて天然だから…。
そこも利用できるかもしれない！
早速指示された場所に向かおうとすると、後方から声をかけられる。
「A、開始の合図があったら、すぐにジャンプしろ。」
「…ふふ、言われなくてもそうするつもりだったよ、焦凍。」
焦凍のことだから、開始早々に氷でもぶっ放して、幾らかふるい落とすつもりなんだろう。幼馴染だもん、教えて貰わなくてもそのくらいわかってますよーだ。
少し遅れて出発ゲートに到着すれば、スタート地点の先は狭い入り口になっている。そういう魂胆か…。
だとすれば、スタートは前方ではなくて今いる中盤くらいが丁度いい。
「……
＿＿＿＿ スタート！！」
ミッドナイト先生の合図で生徒たちが一斉に駆け出す。ぎゅうぎゅうと人が押し寄せてくる。…その時。
「さぁて実況していくぜ！早速だがミイラマン、序盤の見所は！？」
「…今だよ。」
ピキィ…！
足元に氷が敷かれ、焦凍が駆け出していくのがわかった。開始と共に跳んだ私は見事回避。凍らされた人たちの間を縫って駆け出した。
それにしても、繊細だなあ。ぶっ放すんじゃなくて、足元を凍らせて戦意喪失させてる。
…と、凍傷だけは回避したものの、氷で滑りやすくなった道はなかなか思うように走ることができず、悪戦苦闘する。
うーん…靴を変えらればいいけど、そんなことはできないしな。
「あ、そうだ！私の身体、無重力になれ！」
今は丁度追い風だ。このまま風に流されればある程度のところまでは行けるだろうと判断した。
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作者名：浅葱。 | 作成日時：2021年5月25日 15時
