もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ27)

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２５. ページ27

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言実Aです。私は今、とても帰りたいです。

「どけ、モブ共。」

私は今、ヒーロー科1年A組の教室の前にいます。人使くんに連れられてここに来たんだけど、その人使くんは私を置き去りにしてどこかに行ってしまった。

しかも、何故か人が沢山居てもみくちゃにされるし、やっと周りが見える場所に出られたと思ったら、白い髪の毛をツンツンさせて、目が９０度になりそうなくらい釣り上げた怖い人にガン飛ばされました。

…そして今。

「噂のA組。どんなもんかと見に来たが、随分と偉そうだな。

…ヒーロー科に在籍する奴は、皆こんななのかい？」

聞き覚えのある低音が、後ろから振ってくる。
ひ、人使くん！？やばいやばいやば…

「普通科とか他の科って、ヒーロー科落ちたから入ったって奴結構居るんだ。…知ってた？」

はっとして人使くんを見ると、目が合った。…黙って見てろ、ってとこだろうか。

「そんな俺らにも学校側がチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって。

その逆もまた然りらしいよ。」

「…少なくとも俺は、宣戦布告しに来たつもり。」

ぐっと息を飲んだ。確かにそうだ。私も、夢を叶えるためにこの人たちに勝たないといけない。それは勿論、目の前にいるヒーロー科の人たちに、だ。

「…上に上がりゃ関係ねェ。」

人使くんと睨み合っていた怖い人は、最もな台詞を述べて去っていった。

そうか、この人も、本気なのだ。ヒーロー科だからこそ見える、今私が見ているその先を見据えている。

その言葉に外野の嫌悪感はさらにヒートアップし、至る所からブーイングの声や罵声が飛んでくる。私には、この人たちが何故ブーイングをしているのか理解ができなかった。

みんな、本気なのだ。本気だからこそこうやって、まっすぐに伝えているのに、どうして納得できないんだろうか…。そう思っている私がおかしいのでは無いかと思うほど、周りの空気は私と真逆だった。

あれよあれよと言う間に収まっていった場からは、どんどん人が減っていく。私も教室に戻ろう。人使くん、どこに行ったかな…ときょろきょろした私が悪かった。

「ひっ…」

怖い彼が去っていく道を開ける人々に押され、よろけて前に押し出されてしまった。

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