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あれから焦凍を見ると変に意識してしまって、なかなかいつもの調子を取り戻せないで居た。相変わらず登校だけは一緒にすることにしているけど、…このままでは良くない。
そんな最中だった。
「雄英体育祭がある。」
ザワザワと教室内がざわめき立つ。「体育祭って言ってもねえ…。」「普通の学校とは違ぇからな。」とまあ、
「体育祭は毎年全国中継だ。勿論、優秀な成績を収めて目立てれば有名企業への就職に繋がるし、有利なこともある。
…が、みんなが知っている通りこのイベントはヒーロー科がメインとなる。普通科は普通科らしく、楽しんで取り組んでもらえればいいから。では、以上。」
”普通科らしく”…か。
「でもAは頑張るんでしょ？」
「応援してるからね、A。」
いつの間にか机に集まってきた由香、杏ちゃんに声を掛けられる。
「…うん！私、頑張る！」
嬉しいなあ、こんなに想ってくれる友達がいるなんて。由香、杏ちゃん、涼香ちゃんにはA組に
3人とも揃って『頑張れ！』と激励のメッセージをくれた。それからはちょこちょこ状況を質問してくれたり、私の話を聞いてくれたりする。
「A、ちょっといい？」
「ん、どしたの人使くん？」
由香の後ろからひょっこり現れた人使くんは、どこか楽しそうな表情をしている。
「今日の放課後、暇だよね？」
「えー、何それデートの約束？」
「心操、まさかのA狙い？」
3人がこぞって冷やかし出す。いやいやいや、この流れでそんなわけないでしょう
…この顔は、何か企んでいる顔だ。
何故かとてつもなく嫌な予感がしたけど、有無を言わさないその目に眉を下げながら頷くしかなかった。
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作者名：浅葱。 | 作成日時：2021年5月25日 15時
